GOOD DESIGN EXHIBITION 2013

2013年11月05日(火) 17:22

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GOOD DESIGN EXHIBITION 2013: 3 brilliant designs I choose among 1,212 award winners. The desktop railway timetable for a local train in Aomori, which is designed to encourage local people to use train more to keep it alive. The tiny cubic soap for travelling. One cubic is to wash yourself once. If the trip is only for a night, you just need to bring 1 cubic. If you travel longer, bring the box. The candy like package needs to be redesigned to prevent kids from drinking by mistake, but it is great for me, anyway. The last one is a cylindrical wet towel to use in case of a fire. The package has 8 cuts, which allows users not to wonder how to open it in an emergency. Its cylindrical design will make it easy to hold and save the back of your hand, too.

昨日閉会した GOOD DESIGN EXHIBITION 2013 のお話です。
例年、東京ビッグサイトで開催されていたG展ですが、今年から東京ミッドタウンに場所を移しての開催になりました。観衆の裾野を広げ、Gマークそのものの認知度を高めるにはなかなかに優れた会場移転ではないかと思います。受賞作品を紹介したり、販売したりするお店が近くにあったり、展示を見るのに疲れたときにフラッと立ち寄れるカフェやレストランの選択肢が増えたりしている点も嬉しいです。ただしかし、東京ビッグサイトの巨大な空間と同程度の床面積をミッドタウンで確保するには、会場を分散せざるを得ず、入場パスを必要とするメイン会場だけでも3箇所に散らばっていました。会場全体を一覧することができないため、観覧のペースを作りにくく、うまいこと強弱をつけながら見て回るのが大変でした。通路も、ビッグサイトのときに比べると随分と狭くなっていた印象です。その分、他のお客様やそのお荷物に触れてしまうことが多く、周囲への配慮が例年以上に求められる会場となってしまいました。おかげで見終わる頃にはグツタリ…。

ということで会場へのダメ出しはこのくらいにして、今年グッドデザイン賞を受賞したモノコトの中で、わたし的にグット来たモノ達を紹介します。

 

[1] 手でめくる卓上時刻表 [2] 旅する石鹸 [3] イマバリレスキュータオル

利用者減が続き存続が危ぶまれている弘南鉄道大鰐線を応援するための仕掛けとしてデザインされた“手でめくる卓上時刻表”(写真[1])が秀逸でした。生き残りをかけて観光列車化するというよくある戦略をとらず、まず地元民にもっと鉄道を使ってもらえるようにするにはどうしたらイイか…を考えたという経緯も素敵だし、なんでもかんでもデジタル化していく風潮の中で、敢えて昔ながらの“紙+卓上”というメディアの選び方もイイです。実際に使われているシーンを目撃するためだけに弘前まで行ってみたいとまで思わせてくれるグッドデザインでした。

続いては“旅する石鹸”と題した携帯用の化粧石鹸です。石鹸って、ものすごく長持ちするんですよね…。一泊したくらいじゃ、どこをどんだけ念入りに洗っても使い切れない。そのもったいなさに気づいているからこそ、ホテル業界では石鹸に代えて液体のボディソープなんかを導入するようになったのでしょうが、ボトルがダサかったり、置き場所に困ったり、ポンプの口からの液漏れが汚らしかったりして、高級旅館やホテルでは昔ながらの石鹸を採用しているところが多いです。そんな石鹸派な人や場所には、この旅する石鹸がイイと思う。実際に使ってみないと何とも言えないし、評価コメントにもあるとおり、子どもや酔っ払いが誤って口にしてしまう危険性は無視できないので、キャラメルを想起させるパッケージには再考の余地がありそうですが、売ってたら買います!と断言するレベルで気に入りました。

グッドデザイン・ベスト100に選ばれているものの中では、“イマバリレスキュータオル”が素晴らしすぎました(写真[3])。この鮮やかな色合いのパッケージの中には、濡れタオルが入っています。火災時、きっと慌てています。そんなときに「切り込みはどこかな?」なんて悠長に探してなんかいられません。だから切れ目は4辺に合計8箇所も用意されています。中のタオルは筒状になっていて、落としにくく、同時に手の甲を火傷から守ってくれることでしょう。非常時の心理状態や状況を踏まえた“使いやすさ”への配慮が、すごく素敵だと思いました。1袋500円という価格もイイです。2013年12月3日に発売予定らしい。買い!ですね。

今年は空間・建設・施設分野での大ヒットが少なかった印象です、個人的には。印象に残っているのは、越後湯沢の“四季Four Seasons Yuzawaクワトロ”と、村上市の駅前にある“扇屋旅館”の2軒かな…。サービス・システム分野で受賞している燕三条の“畑の朝カフェ”もあわせて、いずれも新潟県…。新潟、頑張ってる。ということで、たぶんそう遠くない将来にわたしは新潟の地に立っていることでしょう(笑)。