回転寿司の機会損失

2013年10月10日(木) 17:05

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OPPORTUNITY LOSS @SUSHI-GO-ROUND: The page with blue background tells you the dishes in the circled number pages are now available, but it’s too hard to notice the page numbers given at the left top corner. While we were wondering what to order in which page, the display switches to remind us the dish previously ordered was approaching. Once you miss noticing or getting it, you have to wait for another round or maybe you should reorder the same dish or you may give it up.  The ordering system obviously causes some opportunity loss.

 

[1] メインメニューです [2] ⑨ページから握りを注文 [3] 注文し過ぎて容量オーバー

早朝からの重労働と厳しい稽古を乗り越えて、やっと辿り着いたランチのひととき@はま寿司。ご存知、回っているお寿司屋さんです。腹ペコな大人5人。テーブルに備え付けのタッチパネル(写真[1])から、お寿司の注文をガンガンいれます(写真[2])。ふつうです。腹ペコですし。でもって、何皿が上限だったのかは不明ですが(裏で握っている人数にもよるでしょうけど…)、あっさり容量オーバー(写真[3])。一同唸る…。

それにしても、「お前ら注文入れすぎだから少しおとなしく待っとけや」を伝えるための青画面(写真[3])が分かりにくいことこの上ないです。丸数字の羅列が何を意味するのかを理解するまで、大人5人の頭をもってしてもしばらくかかりました。注文画面にはページ番号が振られているんですね。それは、画面の左上に極めてコッソリと記されています(写真[2]の左上にある⑨にご注目)。寿司職人の手を患わせることのないサイドメニューやドリンクが①ページや②ページに並んでいまして、それらは注文できますよ…ということを青画面は伝えようとしているのですが、よっぽど通ってる人じゃないと理解できないと思う。だって、メインメニュー(写真[1])の並び順どおりにページが並んでいるわけでもないし、画面左上のページ番号に気づくのも難しいし、そのページ番号から商品を検索することもできないし、注文可能なページ番号を全部記憶するのも億劫だし…。

 

[4] 注文品が接近中… [5] 画面白黒反転+音でお知らせ [6] しっかり取らないと再注文

何なら注文できるん?と悩んでいるうちに、先に注文した握りがまもなく到着することを知らせる画面に突如切り替わります。ピンポン的な音と一緒に、画面が白黒反転して客の注意を引きつけます(写真[4][5])。このお届けの仕組みも、はっきり言って微妙…。ベルトコンベアに乗って流れゆくお寿司の中から、自分が注文したものを特定し、自ら手を伸ばして受け取らなければなりません。注文した品は、“ご注文品”と記された小さな桶(風のモノ)の上に乗って運ばれてきます(写真[6])。考えられるさまざまな手を使って、客に気づかせ、自分で受け取らせる工夫はしていますが、お喋りや食事に夢中になっていて、気づき損ねたらアウト。注文の品は無情にも通り過ぎていくことになります。店内一周してもう一度ここまで来てくれるのを待つ…か? 普通に考えて、待たない。100歩譲って待ったとしても、再度、目の前を通過しようとしている皿が自分の注文の品であり、さっき取り損ねたモノであるという確信を持つ術がない。確信ないのに取るのは反則のような気がしてしまう。だから結局取らない。また通り過ぎていく。よってどうしても食べたいものの場合は再度注文することになる。そしてまたお喋りに夢中になり取り損ねる。注文する。取り損ねる。注文する。エンドレス…には実際はならず、「もういいや…」となって一皿諦める。店は一皿売り損ねる。というわけで、機会損失おおきいと思います。