2013年8月の読書記録

2013年09月13日(金) 10:04

本&映画の紹介

Kindleからの流れで8月の読書記録。なかなかバラエティに富んだチョイスの月になりました。『自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝』がオススメかな。笑えるけど勉強にもなる。サッカーの仕事はおかげさまで無事に終了しました。おかわりが来ることを期待しよう。

 

読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2724ページ
ナイス数:27ナイス

 

彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力 彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力
私の辞書にはないボキャブラリーが満載でした。こういう世界とは無縁のまま歳をとってこられたことは幸せなことなのだろう。しかしこういう世界と考え方があって、そこに身を置かざるを得ない女子がかくもたくさんいるという現実、そして10代の若い子ばかりではないという意外性が私を引きつけました。著者のリサーチ能力にも脱帽です。彼女たちの負のスパイラルがどこかで途切れる日が来ることを祈りたい。
読了日:8月3日 著者:荻上チキ

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え FBI美術捜査官―奪われた名画を追え
エンジンかかるまで少しかかりましたが、一旦入り込んでしまえば潜入捜査の臨場感に(不謹慎ではあるものの)ワクワクしながら読了です。“裏切ることを前提に友になる”のは精神的にかなりきつそう。それが出来る人じゃないと潜入捜査はできない。ちょっとの油断が命取り。というか、こんなノンフィクション本を書いてそれこそ命取りなのではないかと心配です。
読了日:8月8日 著者:ロバート・K.ウィットマン,ジョンシフマン

自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝 自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
コレは面白かった。社会のため、人類のためにと自らの体を実験に捧げてきた…とその理由はキレイに語られることが多いようだが、はっきり言って自己満足というか、内なる探求心を抑えることができなかっただけというか、命を失うのが実験の途中か、実験を無事に終えてからかという違いはあれど、どの科学者もきっと幸せに人生の幕引きをしたに違いない。そこまで打ち込めるモノコトと出会えたのは、やはり幸せだと思うし、彼らのおかげで後世を生きるわたし達も幸せ。ありがとうございました。
読了日:8月12日 著者:レスリーデンディ,メルボーリング,C.B.モーダン

フット×ブレインの思考法 日本のサッカーを強くする25の視点 フット×ブレインの思考法 日本のサッカーを強くする25の視点
来週からサッカー絡みのお仕事なので予習の一冊。知人のオススメで選抜されました。意外や意外、面白かった。ワールドカップの直前ににわかファンになる私にも分かりやすく、入りやすい一冊でした。レフェリーと専属料理人とホペイロの話が群を抜いて興味深かったです。いずれも“支える人”という枠組み。そう、私は黒子にこそグッとくるのだった。仕事がんばりまーす。
読了日:8月13日 著者:テレビ東京FOOT×BRAINプロジェクト編

神さまのいない日曜日  墓守の少女 (角川文庫) 神さまのいない日曜日 墓守の少女 (角川文庫)
“人が生きる理由は二種類あるんだ。『死にたくない』と『生きたい』だ。その二つの間には天と地ほどの開きがある”…ハンプニーがアイに問うくだり。浮かれたファンタジーだと思って読んでいると、時折はげしく打ちのめされる。でもファンタジーの終わりはハッピーなはずだから、大丈夫、勇気を出してページをめくり続けよう。
読了日:8月14日 著者:入江君人

死にたい老人 (幻冬舎新書) 死にたい老人 (幻冬舎新書)
死にたいんか、生きたいんか、どっちやねんっ!と終始ツッコミ止まらない。面倒な老人の話。この本が本人の名前で出ているということは、結局死んでないってことだと思いながら読むべきだったな。絶食しながら薬のんだら、そりゃ~内臓おかしくなるて。ひとり息子をはじめ周囲に迷惑かけたくない、と言いながら、やってること思いっきり迷惑ですけども…。息子さんの苦労が忍ばれます。
読了日:8月18日 著者:木谷恭介

マイナス50℃の世界 (角川ソフィア文庫) マイナス50℃の世界 (角川ソフィア文庫)
北海道で生まれ育ったので寒い世界のことなら知ってるつもりでいたけど、“もっと寒い世界”は北海道の常識さえもあっさりと覆す。あらゆる水分が凍ってできる“居住霧”、寒すぎて滑らないタイヤ、スキーやスケートも“暖かく”なってからじゃないとできない…。釣った魚はその場でカチコチになるから削って食べるってさ。北国に暮らす人(否“北国”に住んでいると思っている人)にこそ読んでみてもらいたい一冊。
読了日:8月19日 著者:米原万里

共喰い (集英社文庫) 共喰い (集英社文庫)
すごく引き寄せられる物語だった。子どもが大人への階段を昇っていくお話。『共喰い』はもちろん、『第三紀層の魚』も負けてないし、瀬戸内寂聴さんとの対談もなにげにイイ。イイもの書く人はメディアであまり目立たないで欲しいと思った(笑)。著者の顔や例の発言が読書中にちらついて邪魔である。他の著作も読んでみよー。
読了日:8月21日 著者:田中慎弥

アルファベットの事典 アルファベットの事典
事典だからね、読んだというよりパラ見しながら、ふ~ん。仮名に起源があるように、アルファベットにも一つ一つ起源と歴史があるってことです。いつかなんかの役に立つ…と思う…というほどでもない(笑)。
読了日:8月26日 著者:ローランプリューゴープト


嫌な女 (光文社文庫) 嫌な女 (光文社文庫)
こんな親戚…いや徹子流にしっかり言い改めよう、遠戚がいたら、子どものうちに縁切ってるわ、絶対。悪知恵働くヤツっていうのは、スゴイなー。生まれ持っての才能なんだね。そこに正論で立ち向かおうとしちゃいけない。どんなに嫌な女にも、違う角度から見れば良いところがあるってことか…。良いところを見る、その前にそれに気づく、見方によっては自分にも嫌なところがある、それを自覚する、どうすれば変えられるかを多角的に考える、そういう生き方が人生を豊かにする。そんな学びを与えてくれる良書でした。
読了日:8月28日 著者:桂望実