HCIIの発表オスソワケ (2)

2013年07月31日(水) 12:43

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, イベントの話, ラスベガス, リサーチャーの知恵袋

WHAT I LEARNT FROM HCII (2): Many presentations were talking about the early stage of the study, and what would be interesting is listed as a future work. Because HCII is to be annually held from this year (biyearly held so far), we may be able to expect to have those “future works” next year, but we need to wait and see. One more thing surprised me is the high rate of cancellations and/or no-shows both in presentations and posters. Any countermeasure for the situation may be required.

自らは研究発表をせず、時折り学会に参加して他人の研究やプレゼンにケチをつけるとても感じの悪い人であることを自覚したうえで、さらに書きますけども(笑)、全般的に(と言っても私が聞いたセッションに限られますが…)基礎研究のさらに前半部分の発表に終始するものが多かった印象です。リサーチクエスチョンを立てて、先行研究を調べ、自分なりの仮説や提案を準備したうえで、それを検証する実験なり、調査なりを行い、仮説は正しい方向に向いてます!とか、仮説に対するニーズを確認できました!とかってところで終わっているものが多かったのです。その先の、まさに面白い話になりそうな部分は軒並み“今後の課題”となっていて、そっから先をこそ聞きたかったのに残念…と、消化不良な感じでプレゼンが終了してしまうんです。次のHCIIに来たら続きを聞けるのかもしれないけれど、今までは隔年開催だったこともあり、続きの発表は翌年、別の学会で、となるケースが多かったのかもしれません。そういう意味では、今年から毎年開催に変わるようなので、来年、ギリシャはクレタ島で開催されるHCII2014(写真[1])では、今年消化不良だった部分を埋めてくれるもう少し先の研究成果を聞ける機会が増えるのかもしれませんが、今年はとにかく消化不良の発表が多く、残念でした。

 

[1] 来年はギリシャはクレタ島開催 [2] パラレルセッション20以上 [3] ポスターはすき間だらけ

そして昨日も書きましたが、cancellation なのか no-show なのか分かりませんが、口頭発表論文として採択されたにもかからず、当日発表に来ないという研究者のなんと多いことか! もちろんやんごとなき事情で参加できなくなったという人もいるとは思いますが、それにしても多い。眠い目をこすりながら論文集を眺め、タイトルから内容を推測して、自分の関心にあった発表の多いセッションに参加することを決め、会場に行ってみたら、聞きたかった発表が飛ばされる…ってことが何度あったか分かりません。聞きたかったのに限って飛んじゃうんだよね…。せめて事前に告知してはもらえないだろうか? 多いときで20件を超えるパラレルセッション(写真[2])の中から、どれを聞こうかな…と考えるだけでも結構大変なんですよー。

ポスター発表も、板は用意されてるけど貼られてないところが多くて(写真[3])、これもきっと no show なんだろうな。とにかく隙間の多いポスター発表でした。貼ってあるポスターも、論文のプリントじゃねーかよっ!というのが多々ありました。誰がわざわざ会場で読むかっつーの(笑)。その点、日本人の研究者はやはり生真面目な人が多いのか、きちんとポスターを用意した上に、脇に立って、説明させてくれ~という雰囲気を醸し出している人が何人もいまして、この学会を支えているのは日本人だな…と思ったりしました。なんでも今年は400人を超える日本人が参加していたらしいから、まんざら間違ってもいないだろう。

今年は Program Board をうっかり引き受けてしまった手前、またこれまで参加したことがなかったということもあり、HCII初参加してみましたが、来年のクレタ島は…勇気を持って断ろう(笑)。日本から400人も参加してるなら、私の必要性は低い。というか、研究者ではないというところで私の必要性など無いに等しい。