椅子ではありません

2012年05月30日(水) 14:52

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 京都, サインやUIの話, ヒトについて, モノ+コトの話

THIS IS NOT A CHAIR: The barrier (see 2nd picture) is supposedly to tell “No Parking,” but because it has a flat top surface with a certain width and looks tough enough, tourists seem to use it as a chair. Its designer is forced to add a notice, saying “Don’t sit on this!” This is a good (should I say “bad”) example of that designer needs to be careful not to provide unintentional wrong signifier.

工事現場などで見かける柵(写真[1])。侵入禁止や駐車禁止などを告知するために使われる場合が多いようです。

 

[1] 駐車禁止を知らせる柵 [2] 京都風手作りバージョン [3] 椅子として誤活用されるらしい

銀閣寺道沿いにあるとあるカフェの前に写真[2]の柵が置いてありました。工事現場のアレを模して、しかし京都の風情を損なわないようにと木や竹を使って手作りされた感じです。この場所は駐車禁止ですよ!ということを告知するのが目的のようです。

しかし、次のような性質が“見える”ため、椅子として活用する人がいるみたい。


・適度な高さ
・上面がほぼ平らになっていること
・上面がある程度の幅を持っていること
・留め具が見えていること
(ただ紐で結んでいるわけではない分、頑丈そうに見える)

おかげで、「座らないで下さい。キケン!」という貼り紙を後付けしなければならないという(作者にとっては)想定外の状態が発生しています(写真[3])。作り手の頭の中にはなかったシグニファイア(=ユーザの行動を導く知覚可能なサイン)が意図せずデザインに現れ、ユーザに誤った行動を促す場合があるという好例(悪例と言うべきか?!)ですね。講義の資料に追加しよーっと。