2011年9月の読書記録
2011年10月14日(金) 16:49
本&映画の紹介9月は長距離フライトがあったので、小説が中心になりました。文庫サイズで気楽に読めるものが機内には必須なのです。マフィアと海賊の2冊はビジネス書としてかなりオススメ。わたし達の職場ってぬるま湯だったんだーと、反省せざるを得なくなります。コソッとマンガも2冊入ってますがね…。
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3742ページ
ナイス数:14ナイス
毎月新聞 (中公文庫)
かなり古いコラムをただまとめただけの一冊ですが、著者のように、日々、こんなことやあんなことを考えながら生活すると勉強になるなーと素直に感心させられてしまう内容でした。こんな人のところで学べる学生さんはきっと幸せです。
読了日:09月29日 著者:佐藤 雅彦
さよならドビュッシー
カエル男にすっかり魅せられて、中山七里さん第二弾。カエル男との共通点は音楽(ピアノ)くらいだとどこかに書いてあったけれど、一番の共通点は、演奏だったり、暴力シーンだったりを緻密に繊細に描くことにより、読者をそこへガッチリと惹きつけ、所々にちょこっとずつ差し挟んである伏線の数々を巧みに”読み逃させる”その筆致ではないかと思う。落ちは想像つくけれど、そこへ持っていくまでの展開は絶品でした。とりあえず、クラシックでも聴くかな〜。
読了日:09月25日 著者:中山 七里
魔術はささやく (新潮文庫)
宮部みゆきにしてはいまひとつ。”魔術”とか持ち出して欲しくなかった。とは言え、社会の恥部や暗部の描き方はさすがです。歯車が一つ狂うだけで、平和で安穏な生活がかくも一変する可能性があるということを思い知らされる。
読了日:09月23日 著者:宮部 みゆき
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
聞き慣れないスウェーデン人の名前を覚えるのがとにかく大変です。忘れないうちにとにかく急いで下巻へ突入しなければ…。感想はその後で。
読了日:09月22日 著者:スティーグ・ラーソン
空中ブランコ (文春文庫)
“この診察室は観覧車だ。乗ったら一周する間、そのペースにあわせるしかない”とは素晴らしい描写。うますぎて唸ってしまった。そんな名台詞が登場する三話目の『義父のヅラ』が最高潮に面白かった。あまりにもくだらなくて、ただただ笑えるので、長距離移動中の機内にオススメの一冊。ただし、不用意に吹き出したりしないよう要注意。
読了日:09月16日 著者:奥田 英朗
ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
村上春樹の解説を読んでやっと納得のいくところが多かった。それは自分が文学を分かっていないということか? ”気楽に読める推理小説”のつもりで読み始めるとあまりの回りくどさに疲れてしまう。それでもすらすらページが進むのは、チャンドラーの技巧か、それとも村上春樹の名訳の妙か? おちがかなり早い段階で読めてしまったんだ。作者はそんなの織り込み済み? おちを期待せずに、主人公が淡々と(かつ命がけで)真実に迫っていく展開を楽しむべきなのかな? きっとそうだな、うん。
読了日:09月15日 著者:レイモンド・チャンドラー
発明マニア (文春文庫)
一個一個の発明は正直、たいした代物ではない。でも、日々それを継続してきた力と各発明へと通じるまでの道(周囲の観察や世相の読解、政治や世界情勢への痛烈な批判などなど)には感服します。さすが米原さん。ちなみに出版年は2010年ですが、中身は2003年〜2006年にサンデー毎日で連載されていたものなので、少々古い世相を切り刻んでいらっしゃいます。死の直前まで楽しく発明をされていたご様子。発明し残したものもたくさんあるんでしょうね〜。
読了日:09月13日 著者:米原 万里
中国嫁日記 一
なんて幸せそうなんだ! 毎日がとにかく楽しそう。文化差という大きすぎる壁があるからこそ、日々互いに学んでいけるし、少しずつ近づいていける。ちょっと国際結婚が羨ましくなりました(笑)。あ、うちの旦那も一緒に居て飽きないですけどね…。とにかく、中国行って見合いして結婚してっていう、最初の大壁を乗り越えたオタク夫、エラカッタぞ〜。これからも応援します。
読了日:09月11日 著者:>井上 純一
最強マフィアの仕事術
迂闊に喋る、準備を怠る、判断を誤る、教えに背く。マフィアの世界ではそのすべてが最悪の結果=死を意味する。当然、慎重に喋り、準備し、判断するようになる。終始空気を読み、賢く学び、最善を尽くすようになる。ビジネスシーンの多くが”ぬるま湯”だということを思い知らされた。ちょうど、とあるクライアントに怒り心頭してるときだったので、キモチが落ち着いた。冷静な対応と判断で賢くハードルを乗り越えよう。
読了日:09月10日 著者:マイケル・フランゼーゼ
常岡さん、人質になる。
人質事件が立て続けに起こったとき、マスコミに煽られて普通に”自己責任がどうこう”と思ったりしていたけれど、実際には政府が何もしてくれないという哀しすぎる現実と向き合うことになった人質さんのキモチは推して知るべし。それにしても、人質としての生活はあまりにも辛そうだ(快適なわきゃーない)。いやしかし、貴重すぎる体験だ(体験したくないけど)。面白く紹介してくれてありがとーというキモチでいっぱいです。無事に帰ってきてくれて良かった。
読了日:09月04日 著者:にしかわたく,岡本まーこ
海賊の経済学 ―見えざるフックの秘密
政府規制の外で活動する犯罪者集団だからこそ、利潤追求という最大にして唯一の目的を達成するために自らを規制した。そしてそれらの規制は、私的に作られ自発的に採用されたからこそ成功した。”利己的な利潤追求と合理性という、何のひねりもない経済学初歩の前提”で貪欲な犯罪者集団の平等で民主的な社会を説明できてしまうという目から鱗的な内容でした。
読了日:09月01日 著者:ピーター・T・リーソン