岡本太郎展は激込み

2011年04月30日(土) 15:03

日本発信四方山話, 東京

ゴールデンウィークの初日、東京国立近代美術館で開催されている岡本太郎展へ行ってみました(写真[1]/入場チケットです。大人1,300円)。会場に到着したのは午後3時過ぎで、そろそろ入場の列もなくなっている頃だろうと期待していたのですが、まだまだ入場制限中。チケットの購入に5分、その後の入場までに10分ほど列に並ぶこととなりました。

 

[1] 岡本太郎展の入場チケット [2] 太郎のことばをもらえます [3] 渋谷駅にある『明日の神話』

岡本太郎と言えば、大阪万博のときの太陽の塔と「芸術は爆発だ!」の名台詞くらいしか知りませんでしたが、初期の作品から順に彼の軌跡を辿ってみると、アーティストとしての努力や苦悩が垣間見えて、想像していた以上に勉強になりました。太陽の塔のイメージが強すぎて、若い頃からずっとオブジェ作りに勤しんでこられたのだと勝手に思っていましたが、はじめて手がけたオブジェは40歳を過ぎた頃のもの(『顔』という作品でした)で、それまでは主に絵画が彼の作品の中心だったようです。40歳を目前にしている今の私には、ちょっと考えさせられる事実でした。新しいことにチャレンジする、少し今までと違うことにトライしてみる…そんな必要性を微かに感じつつ、10年後、50歳を目前にしたときの自分の様子を想像して、このままでイイはずがない…けど、どうしよう?と軽い恐怖心や焦りのようなものも覚え始めた昨今。40歳を過ぎてから果敢に新しいことに挑戦し、変わりゆく社会に対峙し、自分を曲げず、自分の内なる思いを形にして世界に問いかけ続けたアーティスト岡本太郎をちょっと尊敬してしまっています、私。

展示の最後に、岡本太郎が残した明言の数々を書き記した三角くじを一枚、引くことができます。「やろうとしないから、やれないんだ」という太郎のことばをいただきました(写真[2])。心にズシンと響きました。

すっかり太郎にやられた我々は、その足で渋谷へ行き、 原子爆弾に焼かれる人々と、その悲劇を超えてゆく人間の力を表したとされる長さ30メートルの巨大壁画『明日の神話』を見ることに。すごい迫力でした。JR渋谷駅から京王井の頭線の改札へ向かう連絡通路の壁一面にばばーんと設置されています(写真[3])。岡本太郎展を見逃してしまった場合は、渋谷駅に恒久設置の大作を見に行ってみてください。ちなみに、岡本太郎展は5月8日までです。