逆さまに置く配慮

2011年02月04日(金) 16:00

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 神奈川, モノ+コトの話

長谷駅から大仏様のいらっしゃる高徳院を目指して歩いていく途中で、素敵な佇まいのお店を発見。鎌倉四葩(かまくらよひら)というあぶらとり紙専門店でした(写真[1])。日頃、まったく化粧道具を持ち歩くことのないわたしとは縁の薄い商品ですが(化粧直しをしなければならないほど化粧が崩れたときは帰る時間だと考えます…笑)、お店の雰囲気が本当に素敵だったので入ってみることにしました。

すべて、昔ながらの金箔打紙製法で作っていて、紙の厚みが違ったり、ラベンダーやバラのエキスを入れて香りも楽しめるようになっていたり、パッケージのデザインも和風だったり、洋風だったり、季節限定があったり、とにかく種類が豊富。あまり使わないと分かっていてもつい買ってしまいたいという気持ちにさせる魔法を持ったお店でした。

 

[1] 長谷駅近くあぶらとり紙専門店 [2] レジカウンターの下に物置台 [3] 英語のパンフレットだけ逆さに

実際、その魔力に負けてちょっと買ってしまったのですが、レジカウンターでお金を払っているときにふと下を見ると、客側にほんの少しせり出した物置台が2段あって、下の段には周辺の観光地やイベントのパンフレットが並べられていました(写真[2])。支払いをしようとするお客さんの邪魔にならないように、せり出している部分はほんの10センチくらいです。パンフレットの大部分は奥に隠れてしまっているという状態。興味がある人はのぞき込んで見ればイイし、興味のない人は無視すればイイ。そういうスペースです。

居並ぶパンフレットの中で一つだけ、上下逆さまに置かれているものがありました(写真[3])。外国人観光客向けに鎌倉市が用意している英語の無料ガイド OSHIETE KAMAKURAです。「気づいてもらいやすいように、敢えて上下逆さまに置いているのですか?」とレジのお姉さんに聞いたら、笑顔で「そうなんですぅ」と答えてくれました。

お客さんから見たときの見え方をしっかりと考えて、逆さに置く配慮。外国人観光客の場合は、それが英語で書かれたものであるということを一目で分かるようにしてあげることが、パンフレットのタイトルをしっかり伝えることよりも重要だということに気づいたんですね、きっと。鎌倉四葩は、そんな配慮のできる素敵なお店です。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。