スリ防止のフック
2010年11月18日(木) 18:47
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, モノ+コトの話公衆トイレの個室には、度重なる戸の開け閉めで壁が傷んでしまうのを防ぐために“戸当たりフック”なるものが設置されています。たとえば写真[1]のようなもの。用を足すときにはこのフックに鞄やコートを吊します。そういう使い方は本来推奨されていませんけどね…。でもそういう使い方が便利だし、吊せるデザインになっているってことでそういう使い方をする。たぶん多くの人がそうしていることでしょう。
そうすることに今までなんの抵抗もなかったし、危険を感じるようなこともなかったのですが、先日、有楽町のビックカメラでトイレを利用したときに、フックが見慣れた形状と少し違っていることに気がつきました(写真[2]/下手な写真でスミマセン)。
横の貼り紙(写真[3]/かなりボケボケですが…酔っていたということで笑)によると、防犯上の理由から通常とは違う形状のフックを敢えて使っているということが分かります。なるほど、確かに、この位置にお財布の入ったハンドバッグなり鞄なりをぶら下げて、お姉ちゃんやオバちゃんが気を緩めて便座に座っている…と分かっていれば、上から手を回して、バッグや鞄を盗むことが容易にできそうです。現に、つい最近も埼玉県大宮署が、そんな悪さをしていた犯人を逮捕したというニュースがありました。
貼り紙には利用状況の写真も添えられていて、フックの使い方に迷わないよう配慮してくれていますが、フックの形状も上手に使い方を伝えるデザインになっていると思いませんか? フックの上部分は、写真左のフックのように地面と平行にはなっておらず、斜め下方向に角度がついています。そこへバッグをかけようとするとずり落ちますね。必然的にフックの下部分、先端がちょこっと曲がって上を向いているところにバッグを引っかけるのだということが分かります。
意外と油断できないトイレの個室。利用者それぞれが気をつけるのは当然ですが、施設を提供する側がこうして配慮してくれているのは嬉しいことです。使い方に迷わないように配慮されたデザインも素敵。トイレくらいは油断させてくれ〜。