緑の中で活躍するデザイン

2010年11月08日(月) 18:34

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, イベントの話, モノ+コトの話

10月末から11月3日の文化の日まで、Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2010というイベントが開催されていました。仕事が詰まっていたため今年はゆっくりと見学に行くことができず、最終日に駆け足で見て回ることとなりました。今日はまず、次世代を担うアーティストやデザイナーとの出会いと応援を目的に実施されているコンペの模様をご紹介します。

 

[1] グランプリは学べるレジャーシート [2] お花見気分の持続するシート [3] お皿の絵が描かれたティッシュ

去年のデザインコンペは新しい日本の手みやげというテーマでしたが、今年は少し趣向が変わりまして(毎年変わるのだということが今年になって分かりました…)、“On the Green”だそうです。都心の上質な日常を彩る緑のあるシーンで活躍するデザイン。応募総数1,354点の中から選ばれた栄えあるグランプリは、“Tokyo Green Dictionary”という大学生5人組による作品です(写真[1])。公園の歴史やそこに生息する動植物などの情報をプリントしたレジャーシートです。昔ながらの辞書のように、少しゴッツイケースに折り畳まれたシートが入っていて、「今日は井の頭公園へ行こう!」ってときには、井の頭公園の辞書を本棚から取り出して持っていくというイメージです。公園に着いたら、シートを広げて、その上に寝そべって、井の頭公園について学びながら自然や空間を感じます。そんな使い方が推奨。うん、楽しそう。でも新聞広げて読んでいるみたいで、ちょっとリラックスできないかもな…(笑)。

同じレジャーシートでも、佐藤卓賞を受賞した“RING SHEET”のほうが私はお好み。木の幹をぐるっと取り囲むように敷くことのできるシートです(写真[2])。桜吹雪の絵柄を敷けば桜が散った後も、もう少し長くお花見気分を楽しめそう。太陽の動きにあわせて、自分の居場所を少しずつ動かせば、上手に木陰で涼めます。木を独り占めしているみたいで居心地が悪かったら、「どうぞ〜」って誘ってしまえば良い。かなり使ってみたくなりました。上手に畳めるようにして、持ち運びの利便性まで考慮したデザインになれば万々歳。商品化を希望します。

最後、旦那と二人でオーディエンス賞の投票をした作品は“dissue”です(写真[3])。tissueとdishの造語。ティッシュをお皿代わりに使うという素晴らしい発想です。わざわざ紙のお皿を買うのではなくて、お皿の絵のついた紙(ティッシュ)を使えば良いのです。はぁ〜、すごい名案。目から鱗。dissueの上のクッキーやポテチを食べ終わったら、パラパラと残ったカスを集めてクシャっとして捨てたり、お口のまわりをキレイにふいたりするときにも使えます。さらにおまけに、このdissueの箱の取り出し口はフォークやスプーンの形になっていて、そこをくり抜いて中のdissueを取り出す感じ。楽しい〜。これは…、きっと、いや間違いなく商品化される。期待しちゃいます。