神戸のパワースポット

2010年10月06日(水) 12:15

日本発信四方山話, 兵庫

神戸にも行ったのです。というか、神戸大学で開催された認知科学会に出席するための関西出張だったので、神戸がメインで京都がオマケ。オマケの話で一週間も盛り上がってしまったというわけなのでした。

 

[1] 猪の鼻に触れると幸せに〜 [2] うろこの家の展示 [3] 風見鶏の館のアンケート

そのメインの神戸でも、せっかく来たのに何も見ないわけにはイカナイってことで、北野異人館へ。あまり時間がなかったので、悩み抜いた末にありきたりな2軒をチョイス。兵庫住宅百選に選ばれているうろこの家と風見鶏の館へ行くことにしました。うろこの家のエントランスでまず入館料を払ったのですが、客入りの芳しくない(と思われる)近隣の異人館(たしか、山手八番館と北野外国人倶楽部)への入館料との抱き合わせでチケットを買うとお得だと、売り子が執拗にセールスしてきます。聞いてもいないのに、この3軒にはそれぞれパワースポットがあって、サタンの椅子なるイスに座ると願いが叶うとか、うろこの家の庭園にある猪の鼻に触れると幸運が舞い降りるとか、「そういうの全然信じませんので無駄ですよ」と心の中で思いつつ、うろこの家のみの入館料を払ってさっそく庭園の猪を見に行く(笑)。とりあえず触っておこう!な人たちがベタベタ触っているらしく、ポルチェリーノ(猪の名前)は鼻だけ金ピカになっていました(写真[1])。

うろこの家に入った途端に神戸の街の空を暗雲が覆い、京都に引き続き夕立に襲われる羽目になりました。雨宿りもかねて、思いがけず中をゆっくり観覧することに。北野に残されている異人館の中で最初に公開されたのがこのうろこの家で、最後に居住していたのは明治33年に来日したドイツ人教師ハリヤー氏のご子息だったとされています。喜望峰を回り、マラッカ海峡をこえる長い船旅の果てにある小さな島国へわざわざドイツから移り住んだ人たちですから、当時にしてみればモノスゴイお金持ちで、それは優雅な生活をここで送っていたことでしょう。展示されている家具や食器などの調度品はいかにもヨーロピア〜ンなものばかりで、マイセンのコレクション(写真[2])とかはおそらくかなりのお値打ちもの。次に行った風見鶏の館の展示に書いてあったのですが、神戸に居留していた外国人の皆々様は、戦争のおかげで日本に戻ってこられなくなってしまったらしく、そのおかげでこうしたコレクションが異人館にそのまま残っているというわけです。

オランダに暮らしている間に美術館やら博物館やらへはよく行きましたが、基本がお上りさんなので、有名どころがどうしても中心になってしまいました。昔の人々の生活をそのまま今に伝えるような地味めの展示を見に行く機会はなかったので、神戸の異人館も何気に興味深く楽しませていただきました。風見鶏の館は、中へ入ると係のオバチャンがおもむろに解説を始めます。「写真は撮っても大丈夫ですか?」なんて自分の聞きたいことを途中でむやみに聞くとスルーされます(経験談)。暗記したとおり、勢いよく話し終えないと忘れてしまいそうで怖いのでしょう。最後までこの解説が続くのかと一瞬ヒヤリとしましたが、解説は最初の一部屋のみでした。その後は自分のペースで見られます。

最後に売店へ立ち寄るルートになっていましたが、売店へ入る直前あたりにアンケートが置いてありました。中国語・英語・韓国語・日本語の4種(写真[3])。「売店の品揃えはいかがですか?」という質問は売店を見た後に書いてもらうべきなので、アンケートの配置はどうでしょう?という感じでしたが、4ヶ国語も準備するなんて、少しやる気を感じさせます。うろこの家にはありませんでしたし。

ボルチェリーノの鼻を触ってパワーを得たかどうかは微妙ですが、とりあえず雨があがって良かった。異人館の写真、少しですがWebアルバムにしましたのでどうぞご覧ください。