2010年9月の読書記録
2010年10月08日(金) 07:11
本&映画の紹介9月は忙しかった〜(言い訳)というわけで、たったの6冊。
しかも半分が『獣の奏者』。
札幌へ帰ったときに、これを勧めてくれた姪っ子と話ができるように…と思ってガンバッテ読破しました。
では、札幌へ行ってきます。
しかも半分が『獣の奏者』。
札幌へ帰ったときに、これを勧めてくれた姪っ子と話ができるように…と思ってガンバッテ読破しました。
では、札幌へ行ってきます。
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2615ページ
獣の奏者 外伝 刹那
エリンがどんな思いで母となる決意をしたのか、本編でもっとも大きく疑問だったところがクリアになりました。私の考えが浅かったです…。弱音を吐ける、辛いときに寄りかかることのできる家族の大切さと”今”の大切さを教えてくれる『刹那』と、共に学び、喜びを分かち合うことのできる友人のありがたさが染みる『秘め事』。そして最後に母となることの喜びと苦労を少しだけ。作者が意図的に本編から外したピースがサクッとはまります。
読了日:09月29日 著者:上橋 菜穂子
M/世界の、憂鬱な先端 (文春文庫)
日本中を震撼させたMの事件とSの事件について、検察や弁護士よりも、そして加害者の家族よりも真剣に、加害者を加害者たらしめた原因を究明しようとする書。犯人は”精神異常”だったで済ませることを強く拒み、正常な判断力のもとによる行為だったのだとしたがったのがむしろ犯人の親類縁者たちだったというところで寒くなった。加害者の家族・親戚になるってそういうことなのか…。読んでいて、もう何が、誰が正義なのか分からなくなってきた。凶悪犯罪に絡めば正義などないも同然なのか?
読了日:09月27日 著者:吉岡 忍
獣の奏者 (4)完結編
読み終えてみれば、王獣編で終わらせず、ここまで書いてくれた著者に感謝。それにしても、リランとの別れのシーンはあまりにも辛く、うっかり涙を流してしまった。”知る”ことが争いを生み、同時に争いを回避することにもなり得る。知ることと、知らないでおくこと、どちらかを選ばなければならないとしたら、やはり知ること、知らせることを選ぶべきだと思う。ジェシの決意にわたしは賛成です。
読了日:09月12日 著者:上橋 菜穂子
記憶力を強くする (ブルーバックス)
脳科学者的にはかなり平易に書いてくれたのだと思うけれど、素人的にはやっぱり小難しい。記憶の話に限ってしまうなら、ここまで難しくしなくても良かったのではないかとか思ってしまった。とりあえず、若くして脳科学者として名を挙げた(らしい)著者の物言いに時折カチンッとくる一冊(笑)。
読了日:09月10日 著者:池谷 裕二
獣の奏者 (3)探求編
微妙。続編を書くためにいろいろな部分が無理に設定された感じが否めず。王獣リランと心が通った…とぼんやりと思えるくらいで王獣編の終わりを迎えたけれど、その後、エリンが家庭を持ち、子どもを持つという選択肢をとることが何より考えにくい。家族を人質に無理を言う人や国が出てくることは容易に想像できるから。案の定、そういう波に飲み込まれていくエリンとその家族。そうは言っても、走り出した物語を途中放棄することはできず、あっさりと引き込まれていくのでした。
読了日:09月08日 著者:上橋 菜穂子
笹まくら (新潮文庫)
小説の中で行き来する時間軸に加えて、今の世相に照らし合わせて読んだりしたらめちゃくちゃ疲れます。思春期や働き盛りに戦争と戦後を体験させられた人の思考や行動が淡々と語られ、重苦しいけど引き込まれる。自分も含め、戦争を知らない世代に読み継がれることで、戦争の無意味さ、くだらなさが伝わっていくと良いですね。
読了日:09月07日 著者:丸谷 才一