ホテルの差別化戦略~その2
2010年06月18日(金) 17:14
UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, サンフランシスコ, モノ+コトの話ホテルネタ、さらに続きます。随分前の体験談ですが…。
最近、眠れないほどに酷いベッドにはあまり遭遇しなくなりました。若い頃のようにべらぼうに安いホテルには泊まらなくなったからかもしれませんが…。これまで日欧米のホテルにあちこち泊まってきましたが、今までにたった一箇所でしか体験したことのないとっておきの客室サービスをご紹介します。アメリカはサンフランシスコの空港近くにある Radisson Hotel San Francisco Airport Bay Front のベッドに備え付けられていたSLEEP NUMBERです。
ベッドの上に写真[1]のようなコントローラーが置かれていて、なんじゃこれは?という感じだったのですが、コードにぶら下がっている説明(写真[2])を読むと、マットレスの硬さを調節することができるようになっていると言うではありませんか。しかもダブルベッドの左右を個別に調整できるというのはけっこう嬉しいですよね。
しかも操作はめちゃくちゃ簡単。お好みの塩梅に調整するために、ベッドに寝転がって操作をします。ベッドの右半分のマットレスを硬くしたければ、Rの側の上矢印↑を押します。逆に柔らかくしたければ下矢印↓を押すだけ!と説明書の裏面(写真[3])に簡潔な説明がありました。硬さはリニアに変化していきます。微妙に少しずつ変わっていく硬さの中から、自分にベストの状態で操作をストップすれば終わり。液晶画面に自分のお好みの硬さが数字で表されます。それが貴方のSLEEP NUMBERというわけです。この数字を覚えておけば、次に泊まるときにもその数字に合わせるだけで簡単に調整完了。就寝準備が瞬時に終わります。
な〜んてべた褒めですが、実際のところはさほどコストパフォーマンスが高くないような気がします。これがもっと普及して、あちこちのホテルで同じSLEEP NUMBERを使えるようになったり、マットレスを買うときにも(めったに買わないけどね…)自分のSLEEP NUMBERを伝えればベストな硬さに調整したものを受け取れるようになったりすれば話は別ですが、これだけ旅行をしているわたし達も未だ一度しか出会ったことのないくらいの普及率。すでに私のSLEEP NUMBERが何番だったかとか完璧に忘れてしまったし…(笑)。
最高の眠りを提供することこそがホテルの本分ですから、ベッド回りで差別化を図ろうとするのはもっともです。でも、先日紹介したピローミストや耳栓なんかに比べたら法外な投資。どのくらい回収できているのか気になるところですが知る術はありません。いよいよホテル業界に就職して探ってみるか?(何のために…笑)