UPA 2010@ミュンヘン
2010年05月27日(木) 12:02
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, イベントの話, ドイツ突然ですが、ドイツはミュンヘンへ来ています。ドイツ最大の仕掛け時計Glockenspiel(グロッケンシュピール)を持つことで有名なネオ・ゴシック様式の新市庁舎と、それを一目見ようと押しかける観光客で賑わうMarienplatz(マリエン広場)の様子はこんな感じでした。
と、いかにも観光を楽しんでいるように書きましたが、特に楽しい見所があるわけでもないミュンヘン。なんでそんなところに来ているかと言いますと、UPA(Usability Professionals’ Association)というユーザビリティ業界を牽引する学会がありまして、年に一度の大会が今年はじめてアメリカを飛び出してヨーロッパで開催されているということで大枚はたいて営業に来たというわけです。
はたして人が集まるのだろうか? 余計な心配でした。参加者の総数はまだ発表になっていませんが、2枚目の写真のとおり、ものスゴイ数の人が世界中から集まってきています。アイスランドの火山の噴火やギリシャの破綻を皮切りにするヨーロッパの経済危機など、心配事が続くヨーロッパに本当に大勢のユーザビリティ屋が集結した感じです。
開会直後のキーノートスピーチは、Nokia Research LabのRachel Hinman氏。インドやアフリカ諸国などでのリサーチ経験をもとに、お金を持たないユーザー、文字を読めないユーザーを相手にモノづくりをすることの難しさと喜びを披露してくれました。
まだ一日目が終わったところではありますが、ちょくちょくUPAに来ている私が今回一番に感じたのは、業界の注目が中国、インド、南米、そしてアフリカへと確実に動いているということ。ユーザーがいるところに焦点が向かうのは当たり前のことですが、人口が多いことだけでなく、これからの成長・発展が確実なことが後押しとなっているようです。先述のキーノートもそうでしたが発表内容にも発展途上国でのリサーチ経験を売りにするものが目立ちますし、参加者にもアルゼンチンやブラジル、メキシコなどの中南米諸国から来た方々、インドをはじめとする中央アジアの方々、そして香港、シンガポール、中国などから参加している中華系の方々などが例年以上に多い感じ。今大会の大きな特徴のひとつと言えそうです。
発展し終わった国、日本はほぼ完全に忘れられている…(笑)。今後の仕事の仕方、少し考えなければならないかもしれません。円高は進む一方だし、営業成果は期待できないかも。