老舗ホテルに一泊

2010年05月02日(日) 15:14

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ゴールデンウィークのイベント第一弾として箱根へ行ってきました。1泊目は明治11年創業の老舗、富士屋ホテル箱根・宮ノ下にお泊まりです。イギリスが生んだ喜劇王チャーリー・チャップリン、身体障害者の教育や福祉に尽力したことで知られるヘレン・ケラー、ジョン・レノン一家など海外の著名人とその家族や昭和天皇・皇后両陛下などもお泊まりになったことがあるという由緒正しいホテルです。今年で創業132年。歴史が長い分、火事やら戦争やらで受けた被害も多かったようですが、明治24年に建てられた本館(写真[1])は今も現役で活躍しているというから驚きです。

 

[1] 明治24年建造の本館 [2] 花御殿の中にあるチャペル [3] 部屋からは花御殿を一望

毎日午後4時から、宿泊者限定の館内ツアーというのをやっています。宿泊しないと参加できないということ(に一応なっています…)なので逃すわけにはいきません。集合場所のロビーへ行ってみたら、なんと100人を超える宿泊客が今か今かと待っていました。こんな人数をどうやってガイドするんかな?と思っていたら何のことはない、花御殿の中にあるチャペル(写真[2])へ連れて行って20分ほど蘊蓄を喋りたおし、終わったところで史料展示室へ場所を変えて、各自で展示を楽しんでもらうという流れでした。史料展示室の後でダイニングルームへも案内してくれるとのことでしたが、狭い展示室に100人がひしめき合っている状態では展示をゆっくり見ることなどできません。時間を改めるのが賢明と判断し、ツアーを中座しました。少し期待し過ぎていたようです。閑散期でお客さんが少ないときは、展示物についても丁寧にご説明くださるのかもしれませんが…。

多少期待外れだったとは言え、20分に及ぶ蘊蓄はなかなか興味深かったです。創業者の山口仙之助には実は長男がいたけれど、呑気者だったので後継者には相応しくないと判断し、長女に婿をとって富士屋ホテルの跡継ぎとしたという話は公の歴史には語られていません。そのご長男は少し可哀想だけれど、世襲にとらわれずにホテルのために最良の判断をしようとする初代の姿勢は見事なものです。昨今の政治家さん達も少し見習ってはどうでしょうかね? おまけにもっと驚いたのは、跡継ぎとして長女の婿としたお相手は、富士屋ホテルよりも5年ほど早い明治6年の創業で、日本最古のクラシックリゾートホテルとして名高い日光金谷ホテルの次男坊だというから重ねてビックリです。金谷ホテルと富士屋ホテル、親戚だったのかぁ〜。

わたし達のお部屋は、富士屋ホテルの中でも一番新しい館フォレストロッジでした。一番新しい、と言っても昭和35年の建造ですから築50年です。昭和天皇・皇后両陛下がご来館されたときには、このフォレストロッジにお泊まりになったのだとか。わたし達のお部屋からは富士屋ホテルのシンボル花御殿を眺められてイイ感じでした(写真[3])。たまには老舗も良いものですね。