国立新美術館

2010年03月10日(水) 20:01

日本発信四方山話, 東京

海外へ行ったら足繁く美術館や博物館へ通って芸術鑑賞に勤しむのに、日本に戻るとどうも家に引きこもってしまう(笑)。東京には世界に誇る美術館や博物館がたくさんあります。せっかく東京に暮らしているのに見に行かないのはもったいない!ということで、重い腰を上げて国立新美術館(写真[1])へ行ってきました。30年ぶりに設立される5館目の国立美術館として2007年の1月にオープンした真新しい美術館です。所在地は東京都港区。六本木ヒルズや東京ミッドタウンから歩いてすぐのところにあります。

 

[1] 国立新美術館へ [2] すごく素敵な外観です [3] お目当てはルノワール展

開館の年にお亡くなりになった日本が誇る建築家、黒川紀章さんの設計による美術館の建物正面は全面ガラス張り(写真[2])。柔らかな曲線を描く外観が明るく、ゆったりと観覧客を迎えてくれます。常設展はなく、いつもさまざまな企画展や公募展が開催されている模様。ちなみに私たちのお目当ては、ルノワール展(写真[3])でした。

穏やかなタッチと豊麗な裸婦像で知られる印象派の巨匠ルノワール。狂ってしまったり、色々あったりで、若くしてこの世を去ってしまう芸術家が昔は多かったですが、ルノワールはなんと78歳まで大往生。晩年はリューマチに悩まされ、車椅子での生活を余儀なくされたそうですが、家族にも恵まれて、きっと幸せな生涯だったことでしょう。そんなルノワールの絵画85点を紹介する『ルノワール〜伝統と革新』は4月5日まで開催されています。最新の光学調査で解明されたルノワールの技法の紹介がとっても面白いです。赤外線やX線をあてることで、下書きや重ね塗りの様子が分かるんです。完成された絵はどれもすばらしいですが(実はあまり好きな感じじゃないけども…)、完成にたどり着くまでの苦悩が垣間見えるようでたいへん興味深いです。