UXリサーチ会社のご紹介

2009年09月15日(火) 16:02

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, シカゴ

帰国直前、シカゴを訪れるチャンスに恵まれたので、数年前から何度もお仕事をご一緒しているUser Centric, Inc.(写真[1])を訪ね、トップの二人(Gavin Lew氏とRobert Schumacher氏)とランチをしてきました。二人が私たちのために選んでくれたのは、タバスコの瓶がテーブルに並ぶ(写真[2])ルイジアナ料理のお店。ジャンバラヤとガンボーが最高に美味しかったです。

 

[1] User Centricへ行ってきました [2] ルイジアナ料理をご馳走に [3] トップの二人。上機嫌です

食事を楽しみながら、二人に最近の景気を聞いてみました。4年ほど前に会ったときには、大好況でスタッフを雇っても雇っても足りないとこぼしていた二人。昨年来の不況の影響で、確かに仕事がありすぎて手が回らないという少し前の状況からは抜け出すことになったけれど、それほど悪い状況でもないというのが実態だそうです。実は、医療関係の大きな仕事の依頼を受けた直後だったらしく、二人ともかなりご機嫌でした(写真[3])。

User Centricは、シカゴのダウンタウンにある目抜き通りMichigan Avenueにかなりの規模のユーザビリティ・テストラボを持っています。実験室は大小あわせて6室あり、過去に3社のプロジェクトを並行して実施した経験もあるのだとか。シカゴ郊外に本社があり、そちらにも少し規模を小さくしたラボがあります。ダウンタウンのラボは過去に何度か使わせてもらったことがありますが、立地最高、設備充実で文句なしでした。ただ、冬のシカゴはものすご〜く寒いので注意が必要です(笑)。日本のメーカーさんはサンフランシスコやロサンゼルスなど西海岸でリサーチをしたがる傾向がありますが、アメリカは広大で、地域によって人々の生活や嗜好が大きく異なります。リサーチの狙いやターゲットにするユーザーの属性にあわせて場所を選ぶのがまず最初の課題になりますが、シカゴは人種や出身地の混ざり具合などが絶妙で、西海岸に本社を持つ会社もわざわざシカゴでリサーチを行うほどだそうです。もちろん、どんな製品の調査をするのかにもよりますけどね。

User Centricのもう一つの特長として、ネットワークの広さがあります。スペインのXperience Consulting、イギリスのSercoなどと“UX alliance”という組織を作っていて、必要に応じて連携したり、情報交換をしたりしています。4〜5年前は、ほんの数社の集まりでしたが、その後、ニュージーランドやロシア、中国、デンマークやオランダの会社も参加して、今や11ヶ国が手を携え、助け合う巨大組織になりました。ちなみに、日本からもミツエーリンクスさんが参加しています。

そのネットワークを生かして共著した“The Handbook of Global User Research”という本が近々出版になるそうです。外国でUXリサーチをするときの注意点や要点を各国の専門家が解説するような作りになっている模様。装丁前の原稿をチラ見してきましたが、なかなかのボリュームと内容でした。日本から飛び出して世界各国でUXリサーチをする、したいという企業にはきっと参考になると思います。翻訳本が出る予定は今のところないようですが…。

まるでUser Centricからの回し者みたいになってしまいましたが、彼らとは過去に何度も一緒に仕事をして、その都度、たくさんのハードルを一緒に乗り越えてきた経験があります。もっとも信用して仕事を任せられるし、困ったときには一番に相談できる会社。彼らの仕事の質と真摯な態度は私が保証します。アメリカでリサーチのご予定がある方は、ぜひ彼らに問い合わせてみてください。