エレベータはどっち?

2009年09月22日(火) 19:23

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, サインやUIの話

うちの旦那は方向音痴です。

ホテルの部屋を出て、エレベータホールへ向かおうとするとき、彼はお決まりのようにエレベータホールとは逆の方向へ歩いていきます。汐留のホテルには1週間近く連泊していたのに、滞在後半になっても飽きずに同じ間違いを繰り返すので、「こっちだ!と思うのとは逆方向へ行くようにすれば?」とアドバイスしてみました(笑)。

 

[1] エレベータから部屋の誘導 [2] エレベータへの誘導は無し

そんな意地悪なアドバイスを受けて彼が興味深い発言を。「エレベータホールから部屋への誘導はあるのに、部屋からエレベータホールへの誘導がないのがそもそもおかしい!」と。最初は方向音痴君の苦しい言い訳だと思ったのですが、よくよく考えてみると一理あります。ホテルの廊下はどこから、どっちの方向を見ても似たような風景になっていることが多く、方角を見失いやすいのも確か。方向音痴でなくても、一瞬、考えてしまうこと少なくありません。前の日の晩、どっちの方向から自分が歩いてきたかなんて、朝になったら忘れてますよね(いや、私は忘れませんけども…)。

三井ガーデンホテル汐留イタリア街では、エレベータホールから各部屋へ向かう通路にちょっとした情報を追加して(写真[1])、お客さんがキョロキョロせずに部屋までたどり着けるようにしてくれているという話は昨日ご紹介した通りです。でもやっぱり、逆方向、部屋からエレベータホールへ向かうときには誘導がありません(写真[2]/この先、右に曲がったところにエレベータホールがあります)。たとえば、写真[1]で”512号室はこちら”、”513号室と515号室はこちら”と情報を提示している場所の反対側、部屋を出てエレベータホールの方向を向いたときに目にする位置に“エレベータはこっちですよぉ〜”という情報を追加してはいかがでしょう? そうしてくれれば、うちの旦那をはじめ世界中の方向音痴さんたちが大喜びするのでは? ホテル業界のスタンダードを破るひとつの案として、いかがでしょうか。