既有知識が邪魔をする例
2009年08月29日(土) 11:41
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, アメリカ縦横無尽, オランダ, サインやUIの話, サンフランシスコ, パロアルト暮らし, ヒトについて, ベイエリアSan Francisco(サンフランシスコ)とGilroy(ギルロイ/にんにく祭りが開催された町です)を結ぶ電車が走っています。アメリカに、電車で通勤や通学をする人がいるなんて日本の皆さんにはあまり知られていないかもしれませんが、実はけっこういるんですよ(と言っても、少数派だとは思いますが…)。通勤・通学時間帯以外は途端に本数が減って不便になりますし、めちゃくちゃ揺れる上に音もかなりウルサイ。快適という言葉はほど遠い乗り物ですが、私のように車の運転をしたくない人にとっては貴重な足です。
写真[1]はその電車(Caltrain/カルトレイン)の券売機。操作部分は画面とその周辺に集まっていますし、買いたい切符の種類と金額を選んでからお金を投入し(あるいはクレジットカードを通して)購入するという単純な流れですから難しいことはありません。
でも、今いる駅が何駅なのかは慣れないと分かりづらいかも。しかし、駅員さんなのか、乗客なのか分かりませんが、ここがPalo Alto(パロアルト)であることを瞬時に読み取れるよう、Palo Alto駅の○を塗りつぶして情報を追記してくれています(写真[2])。たったこれだけで、現在地がバッチリ分かりやすくなりました。
切符の料金は、行き先によって決まります。写真[3]を見てください。Palo Altoはゾーン3にあります。ゾーン1にあるSan Franciscoへ行きたければ、行き先としてゾーン1を選びます。ゾーン4にあるSan Jose(サンノゼ)へ行きたければ、ゾーン4を選びます。ただそれだけ。難しいことはありませんよね? でも、旦那と二人、San Joseへ向かうときに私たちは切符を間違えて購入してしまいました。
ゾーン3のPalo Altoからゾーン4のSan Joseへ行くってことは、ゾーンを一つ移動するということだから、それに数を一つ足して、ゾーン二つ分の切符を買えばイイ! だから、ゾーン2だ。
意味、分かりました? 分かりませんよね…。この計算方法は、何を隠そうオランダはアムステルダムでバスに乗るときのものです。回数券(ストリッペンカールト)を使うときは、移動しようとするゾーンの数に“1”を足した数字分のストリップが必要なんです。で、私たちはなんで今更、オランダのバスを思い出して、しかも大人二人がん首揃えて、そんな間違いをしてしまうのよっ。ホント、既有知識が邪魔をするってこういうことだわ(と、カッコよく言ってごまかそうとしていますが…)。ゾーン4へ行きたいなら、ゾーン4を選べばイイだけだったのに、なんでこんな面倒な計算をしちゃうかな…。こんな計算を強いられたら、アメリカ人、だれも電車に乗らないって。
とにかく我々は、早くオランダのことを忘れねば…(笑)。