足踏み式簡易手洗い所

2009年07月29日(水) 13:24

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イベント会場へ行くと必ず、簡易トイレが用意されています。 通常、簡易トイレがいくつか並んでいるだけですが、Gilroyのにんにく祭り会場では、トイレ付近に簡易手洗い所(写真[1])も準備されていました。食品を提供するのが主目的みたいなイベントです。豚インフルの件もありますし、こうして衛生面に配慮するとはなかなかですね。

 

[1] 足踏み式簡易手洗い所 [2] 旦那も無事に手を洗えました

トイレから出てきた旦那が、その簡易手洗い所に向かっていきます。そして水が出てきそうなところに手を差し出しました。そして水が出なくて焦ります。「オートなわけないじゃんっ!」とつっこむ私(笑)。水を出して手を洗いたいけど、どうやって水を出すのか分からない。さぁ、困りました。

すると突然、蛇口の横にある液体石けんの存在に気づき、石けんを数滴手のひらに取りました。そしてまた蛇口のところに手を持っていきます。「石けん付けたからって、蛇口から水出てくるわけないじゃんっ!」と心の中でつっこむ私(笑)。石けんつけちゃったから、どうしても手を洗わなければならなくなりました。でも、水の出し方が分かりません。

「一歩引いて眺めてみると分かるよ、きっと」

私からのヘルプを受けて、「あっ!」と思った様子。そして「FOOT PUMP」という表示にも気づいたようです。なんとか無事に手を洗えました(写真[2])。足下にあるポンプを足で踏み、水を出すのが正解でした。

旦那がこういうことに躓くのを観るのは久しぶりです。楽しく観察させていただきました。それにしても、気づかないものですね。操作方法の説明やラベルは操作部位の近くに置くのが基本ではありますが、操作の目的(水を出すこと)と操作の対象(FOOT PUMP)が物理的に離れると後者に意識が向きにくいということがよく分かりました。せっかくラベルを貼っても、操作するときにユーザー自身がそれを隠して見えなくしてしまう可能性も、このとおりあるわけです。利用状況を想定すること、本当に大切です。

水の出し方が分からなくて同じように困惑しているおばちゃんに、誇らしげに使い方を教える旦那がとてもかわいかった。