熊!
2009年07月15日(水) 00:58
アメリカ縦横無尽, ナショナルパークロスからの帰り道、懲りずに遠回りをしてセコイア国立公園とキングスキャニオン国立公園に寄ってきました。贅沢にも、国立公園内に2泊。おかげでゆっくりまったり大自然を堪能できました。
国立公園では、大自然の息吹を感じながら適度な難易度のトレッキングコースを歩くのが私たちの定番。難易度を測り損ねて、とんでもない汗をかく羽目になることも過去にはありましたが、今回は無難なのんびりコースを選んだので余裕です。森林の中に時折あらわれる開けた草地や山火事で燃えた後に争うように芽を出す若木たちをのんびり眺めたり、写真に収めてみたりしながら悠々と歩いていたら、森の奥に潜む何かを懸命に探すご夫婦に出会いました。
ご主人:「あの辺に熊がいるんだよ!」
私:「えぇぇぇぇ〜、どこどこどこ?」
野生の熊なんて、そうそう見られるものではありません。超興奮しました。でも残念ながらこのときは、岩の陰か茂みの中に身を隠してしまったようで、はっきりとその姿を確認することはできませんでした。諦めて先へ進みしばらくすると、先ほどのご夫婦が手招きしています。静かに近づいてくるようにとの合図。はやる気持ちを抑えながら抜き足差し足でお二人に近づきます。そして二人が指さす方向に目をやると、いました! 茶色い熊が、自分を指さして何やら語り合っている人間ども(=私たち)を警戒するかのようにこちらを睨みつけています(写真[1])。お互いの安全のために十二分な距離を保ちながらしばし睨み合いをしていたら、疲れたのか飽きたのか熊の方が先に折れて、私たちに背を向け、のっそのっそと立ち去っていきました。
言いようのない達成感(何もしてないけども…(笑))に浸りながら先へ進むと、またしてもあのご夫婦が遠くを指さしながらどうのこうの言っている姿が見えてきました(写真[2])。そして、今度は少しグレーがかった色の熊がいると言って私たちを倒木の上に招待してくれました。顔は茂みの中に埋まってしまっていて見えませんが、確かに2頭目の熊を視認です(写真[3])。
何がスゴイって、このご夫婦の視力と執念です(笑)。私たちだけではただの一頭も見つけることはできなかったでしょう。そもそも、私たちがお気楽に散歩しているところから裸眼で確認できる距離に熊がいるなんて思ってもいなかった。セコイア国立公園、恐るべしです。ちなみに写真は望遠で寄って撮ったものをさらに切り抜いたものなので、実際にはかなりの距離がありました。野生生物には近づきすぎないこと。大切な決まりごとです。