お釣りを先にもらうのだ

2009年06月01日(月) 13:25

アメリカ縦横無尽, フロリダ&カリブ海
日本やオランダで内税生活に慣れてしまっていた私が、アメリカに来てからチップの計算に苦労している話は以前お伝えしたとおりです。

今回のカリブ海クルーズでも、一人1泊10ドルのチップを自動徴収される仕組みに少々イラっとしました。

払って欲しいなら、最初から料金に含めておいてくれると助かるんですけどね…。そうはいかない事情があるのでしょうか? ジャマイカで苦行に挑戦したときも、もうすぐゴールというところでガイドのお兄ちゃんがチップの必要性を力説です。「自分は命がけで君たちをゴールまで連れてきたんだ!」、「自分と自分の家族の生活を支える大切な収入だから、帰る前に必ずチップを払うように!」、そんな内容を顔色一つ変えず真剣な面持ちで語ってくれちゃうので、滝を登り終えた喜びも少々薄れるってものですよ…。ゴール地点でチップを要求されるから少々の小銭を持って行くように、とクルーズの中で開かれた寄港地ツアー説明会で言われていたから私たちも多少の現金を携えていたけれど、ビショ濡れになること前提の滝登りツアーに紙幣をどうやって持参しろと言うのだよ…と思いませんか? でもみんな、水着のポケットとかに無造作にお金を入れて持ってきていた。そういう所作にもいちいち驚く日本人な私。受け取るガイドにとっても、濡れていようが、シワくちゃだろうが、金は金。いくらでもイイからとにかく払え!というのが彼らの言い分です。そして、自分がガイドしてきたツアー参加者一人一人から順次チップを徴収していきます。滑って転びそうになったり、水流に負けて足をとられそうになったりしたときに助けてくれたのは確かに彼だし、ツアーを仕切っている会社から彼はもしかしたら本当に一円も(”円”じゃないけど…)もらっていないのかもしれないし、だから私たちはジップロックに入れて持ってきた1ドル紙幣をガサッと数枚、彼に手渡しました。濡れないようにと気を遣ってジップロックに入れてきているあたりがめちゃくちゃ日本人だよね(笑)。

そんな私たちの横に、なかなかチップを渡さないカップル登場。ガイドは一歩も譲りません。「まだチップをもらってないぞ」、「チップをもらわないと帰れない」などとガイドが詰め寄ります。するとカップルの男性の方が、「20ドル札しかないから、釣りをくれ」と言いました。「10ドル釣りあるか? いや、15ドル釣りをよこせ」と金額も指定。おまけに釣りを持ってくるまで、20ドル札を絶対に渡そうとしません。

いやはや思わず見入ってしまいました(笑)。なるほどね〜、ガイドが20ドル札を持ってトンズラしないように、釣りを受け取ってから札を渡すのか…。おまけに、そうね、高額紙幣しかなかったら釣りをもらえばイイのだよね。諦めて全部渡さなければならない気になっていた(笑)。そしていつも、1ドル紙幣をサイフやポケットに絶やさないようにしていた小心者の日本人とは私たちのことです。思わぬところで、思わぬ学習をしました。ありがとう、強面のお兄さん。勉強になりました。