Spotmeなるデバイス

2008年12月16日(火) 21:28

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, イタリア, イベントの話, モノ+コトの話

UPA Europe 2008は“Paper free”でした。 受付時に渡されるのは名札のみで、重くて嵩張るプロシーディングスは無し。 学会帰りの荷物が軽くなるのは嬉しいことです。

 

[1] Spotmeのメニュー画面 [2] キーボード登場 [3] Spotmeに夢中な参加者

紙の代わりに渡されたのが、写真[1]の”Spotme“なるデバイス。 事前に登録した私の個人情報(住所、名前、所属、メールアドレスなど)に、その場で撮られた写真が添付されています。

メニューは次の9項目でした。順不同。
どのアイコンがどのメニューか分かりますか?

▼Agenda:
大会のタイムテーブルが見られます。各発表のタイトルとスタート時間、そして会場を一覧できて便利。
また、少し時間が押して後半の時間変更を余儀なくされたなどという場合にも、このタイムテーブルを変更して参加者にメッセージを送れば簡単。会場の変更などが生じたときにも便利でしょうね。掲示板用意したりしなくて済みます。ただし、各発表のアブストやパワポなどは別のBinderというメニューの中にあり、Agendaからリンクにはなっていないのですごく不便でした。

▼Binder:
各発表の内容はこのメニューで確認。発表順に並んでいるので順を追って見ていく分には問題なし。でも、タイムテーブルは先述のとおりAgendaの中にあり、リンクにはなっていないので、実際の利用シーンとしては、Agendaで発表者の名前を覚えてから、Binderに入り直し、忘れないうちに急いでアブストを発見して読むってことになります。かなり不便。
発表者によっては、パワポの原稿をそのままSpotmeに入れてくれている人もいて、それを手元で見ながら発表を聞けるという点は便利。プロジェクターの映像がちょくちょく消えたり、マイクがハウリングしてばかりで聞き取りにくかったりする今回のようなダメダメ会場の場合はとても重宝します。

▼People:
参加者全員の名前と所属先が一覧になったものを見られます。会場入りした人は顔写真が入っているので、来てる/来てないの判別も可能。
名刺交換をした相手であれば、一覧から奥へ遷移して、住所や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を確認することもできます。

▼Exchange business cards:
携帯電話の赤外線通信機能と同じように、Spotmeに入っている個人情報を簡単に交換できます。逆に、名刺交換をしない限りは、自分の個人情報が他者に筒抜けになることもありません。
紙の名刺が不要になって経済的だし、交換も簡単。加えて、写真も一緒に手に入るので、顔を覚えるのが楽になりそうです。

▼Messaging:
画面部分を上へスライドすると、写真[2]のようにキーボードが出てきます。同じようにSpotmeを使っている他の大会参加者へメッセージを送れるのです。キーボードは至極操作しにくかったですけども…。
大会主催者がメッセージを送ることももちろん可能です。参加者全員に必ず知らせなければならないようなセッション開始時間や会場の変更などの事務連絡は、この機能で簡単に済ませられます。主催者側にも、参加者側にも、これはメリット大きいですね。あと、UPAの事務局から、簡単なアンケートメッセージもよく送られてきていました。「Key note speakerの発表はどうでしたか?」とか、「UPA Europeを毎年開催すべきだと思いますか?」とか、「会場のファシリティについて評価してください」とか。選択式で簡単に回答し、返信できるので、送受信側双方にとってメリットありそうですけど、でも、セッションの最中に送ってくるものだから、みんな発表そっちのけでSpotmeに夢中(写真[3])。自分が発表者だったら、ちょっと辛いです(笑)。

▼Radar:
自分の周りにいる人をレーダーで検索できます。なんのために? 発表がおもしろくなかったときの暇つぶし。ウソ。
Peopleメニューの参加者一覧で、大会中にぜひ挨拶をしたいとか、名刺交換をしておきたいっていう人がいたら、「その人が自分の近くに来たら知らせてね」とSpotmeにお願いしておきます。近づいてきたら、バイブでお知らせしてくれます。でも、肌身離さず持っていないと気づかないし、実際に使ってみたら、お互い自力で気がついて挨拶を交わした頃にバイブがブルッブルッって感じで精度低かったです。

▼My Briefcase:
自分で取ったノートやExchange business cards機能を使って交換した名刺情報、Radar機能を使って登録した”お近づきになりたい人”情報などが保存される場所です。
ここに保存された情報は、後日Spotmeから送られてくるメールから専用のウェブサイトへアクセスして入手します。メールが来るまで1週間くらい時間がかかりましたので少しドキドキしましたが、無事に入手しました。でも、Spotmeを信用し切れていなかった私は、名刺交換した相手のメールアドレスと名前はノートにメモしてきました(笑)。

▼Maps:
学会会場はもちろんのこと、開催地であるトリノの観光名所やお勧めレストランなどを地図上で教えてくれます。 ちなみに、お勧めされているレストランへ行こうと試みましたが、Spotmeが教えてくれた場所には見つからず、ただの寒い散歩に終わりました。もう少し精度を上げてくれないと使えません。

▼Search:
この機能、使ってみるの忘れました。そういうわけでどんな機能かは不明ですが、おそらく文字通り、Spotmeの中の情報を検索する機能です。

—–
盛り込まれている機能はいずれも評価できるものだと思うので今後の進化に期待したいです。日本語の環境で使えるようになる日が来るといいですね。