客を甘やかさない観光地
2013年10月12日(土) 21:49
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 熊本, ヒトについて, モノ+コトの話NEVER SPOIL YOUR TOURISTS: Tsujun bridge, an aqueduct bridge in Kumamoto prefecture, is known with an impressive scenery created by discharging water. To our amazement, the bridge without a parapet allows you to cross the bridge, but no falling accident has ever happened. Never spoil your tourists, and they take care of themselves to be safe.
深い谷に囲まれて水不足に悩んでいた白糸台地の民衆を救うためにと建設された灌漑用の石造りアーチ水路橋“通潤橋”の放水を見てきました。本来は通水管に詰まった堆積物を取り除くために行われていた放水が、今は、観光客に迫力ある絵をお届けするためにと行われることが多くなっているようです。その観光放水は、農業や水路に支障のない週末や祝日の正午から約15分間のみというかなり限定されたタイミングに居合わせなければ見ることができません。お金に余裕があれば、1回10,000円で放水してもらうこともできるらしいですけども…。
ちなみに5月上旬から7月中旬までは、田植え時期に重なり、田植えに支障をきたすということで、お金を払っても、週末の正午に居合わせても、放水を見ることはできませんのであしからず。
さて肝心の放水はと言うと、かなりの迫力でしたー。収穫目前の黄金の稲穂とのコントラストがすごく素敵です。そして何よりも驚いたのは、通潤橋を渡ることができるという事実と、橋の上から落ちたら大怪我どころか死すらあり得るという環境にありながら、欄干をまったく設けておらず、おまけに縁石は固定せずに(本当かどうかは知りませんが…)、自己責任を問うという町の潔さ(笑)。
聞いたところによると、これまで落下事故は一件も発生していないそうです。下手に欄干をつくるよりも、思い切って何もない状態、危険極まりない状態を作ってしまえば、各自が気を付けることになって効果絶大という大胆な発想が功を奏している素敵な観光地でした。