菅の農家で郷土料理に舌鼓

2013年10月16日(水) 14:31

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 熊本, モノ+コトの話

LOCAL CUISINE WITH FARMERS: The area near Tsujun bridge is also known with beautiful terraced rice fields. A retired public officer is trying to revitalize the town by making use of the abolished school and cooperation by local farmers. Beautifully boxed lunch is served for visitors, and if you like, you are invited to visit a farmer’s house to enjoy the lunch, chatting with the farmers. No meat or fish, but all vegetables. Some additional dishes were served handsomely, and I couldn’t think of leaving anything on my plate or box. So full.

放水を見るために通潤橋へと向かって急いでいる私たちに、気のよさそうなオジサンが一枚のチラシを渡してきました(写真[1])。こういうのはスルーするのが通例ですが、オジサンの雰囲気とちょいとお腹の空いていた私の耳に届いた“お弁当”の言葉が吸引力となり、受け取るだけでも珍しいのに、立ち止まって話まで聞いてしまうという展開。なんでも、近くの集落で(後から分かったことですが“近くの”というのは田舎尺度で言う近くであって、都会尺度ではかなりの距離でした…笑)農家を営むおばちゃんたちと楽しくお喋りをしながら、地元に伝わる郷土料理でいっぱいのお祭り料理弁当を楽しめるという村おこし企画らしい…。

 

[1] 通潤橋で配られたチラシ [2] 受付は廃校になった小学校 [3] 30年ぶりの小学校?!

どうせお昼ご飯は食べるんだし、せっかくなので乗っかってみることにしました。念のためお問合せの番号に電話をして二人で行く旨を伝えると、受付のある旧白糸第二小学校へ来るようにとの指示です。途中一度だけ道に迷って右往左往しましたが、なんとか到着(写真[2])。廃校になっているのはとっても惜しい素敵な校舎で驚きました。小学校を卒業して以来、触れることのなかった懐かし過ぎるアコーディオンとか飾ってあって感動です(写真[3])。

その小学校で料金を払い(お弁当はお味噌汁付きで一人1,500円です)、私たちの食事に付き合ってくれる農家さんへと向かいます。車で1分ほどのところだと言うから歩いて行こうかと一瞬おもいましたが、ここで経験が生きる。田舎尺度の“1分”に騙されてなるものか…(笑)。先導車を追うこと3分くらいかな~。棚田のキレイなところだけあって、上り下りすごい。おまけに農道だから狭くて分かりにくい。先導車いてくれてよかったです。

 

[4] 美しい郷土料理の数々 [5] お品書きもいただけます [6] 農家さんからのお振る舞い

着いたお宅は玄関だけで私の仕事部屋を超える広さの農家さんでした。やはりお米を作っているそうです。お座敷にあがり、お弁当とご対面(写真[4])。美しぃーーーーです。お品書き(写真[5])によりますと、つぶした煮大豆に旬の野菜と少しのお米を混ぜてつくる“かすよせ”というのが菅地区に昔から伝わる“お祭り料理”だそうです。素材の味を楽しむべく余計な味付けがなくておいしかった。個人的には大根もちと生姜の佃煮と紫芋のきんとんが大ヒットでしたー。

正直、お弁当だけでもかなりのボリュームでしたが、農家のおばちゃんが“こちらもどうぞ~”と酢の物やお漬物、煮豆なんかでもてなしてくれて(写真[6])、うーん、コレは残すわけにいかないってことでキツイ。お腹がいっぱいだとさりげなく主張してみましたが、「ぜんぶ野菜だからすぐにお腹空くよー」とたしなめられ、やっぱり残すわけにいかない…。そういう意味では苦しい企画でした(笑)。野菜を美味しい贅沢品だと感じることのない子ども連れだと一層くるしいかもしれない。あと、農家のおばちゃんは放っておいても一人で喋り捲る…わけではないので、会話を楽しむ予定と余裕のない人には不向きです。そういう人は、お弁当だけ楽しむべく、農家の縁側を借りるのはやめて小学校の庭でお弁当広げると良いでしょう。