2010年7月の読書記録

2010年08月09日(月) 07:34

本&映画の紹介
米原万里さんが生前は一日に7冊の読書を長年つづけていたというのを知り、負けじと一日1冊読破を目標にしてみたけれど(負けじと…って7冊vs.1冊で既に完敗ですけどね笑)、無理でした。それでも米原さんとブックフェアの相乗効果で7月は読書が進みましたね。この調子で読み続けたいと思います。

読んだ本の数:19冊
読んだページ数:4860ページ

日本がアメリカを赦す日 (文春文庫) 日本がアメリカを赦す日 (文春文庫)
アメリカやアメリカ人の無意識に”インディアン・コンプレックス”があるという著者の仮説、とても興味深いです。建国時まで遡って国と国民性を分析し、戦争と戦後の日米関係を議論していて読み応えあるし、考えさせられる内容になっています。好き嫌いのはっきりした著者の性格も悪くない。
読了日:07月29日 著者:岸田 秀

シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ (文春文庫) シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ (文春文庫)
イタリアのほうが生きにくそう。男女関係をこ〜んなに気にしながら生活していたら、単純に疲れちゃうよ。イタリア人は幼少時からそんな大人たちを見て育つから、心も身体も順応してしまうに違いない。そんな中にちょくちょくお邪魔して貞操を守り続けた著者の気合いがスゴイ。でも一番よかったのは文庫版あとがきです。親友米原万里さんとの最後の一年を綴ってくれています。本編でさんざん笑って、最後のあとがきで大泣き。
読了日:07月27日 著者:田丸 公美子

「女の勘」はなぜ鋭いのか (PHP新書) 「女の勘」はなぜ鋭いのか (PHP新書)
薄っぺらい。斎藤美奈子のモダンガール論を読んだ後だから尚更。女性が内省を深めて書いているのかと思ったら、著者男性だった(笑)。推測・憶測が多く、「〜かもしれない」で終わる文が多い。おかげで説得力激減。女性としては反論したい部分も多々。ちょっと読まなきゃよかった的な本でした。
読了日:07月25日 著者:赤羽 建美

ヒューマンエラーは裁けるか―安全で公正な文化を築くには ヒューマンエラーは裁けるか―安全で公正な文化を築くには
“犯罪をおかすために仕事を選んだ専門家はいない”、改善を目指しているなら”実務者を逮捕したり判決を言い渡したりするべきではない”、本当にそのとおりだと思いました。人の命を預かる職業についてくれている人たちに対する感謝の気持ちが、”被害者”になった途端に薄れてしまうのは恥ずべきことだと思う。司法システムの介入で安全性の向上よりも自己防衛ばかりが重要視されるのでは誰も幸せになれない。失敗をおそれずに職務を全うしてもらえる環境と仕組みを提供することを政府やマスコミは重視すべきです。
読了日:07月24日 著者:シドニー デッカー

モダンガール論 (文春文庫) モダンガール論 (文春文庫)
先人たち(特に明治・大正・昭和初期を生き抜いたおばあちゃん達かな…)に感謝をしなければならないと思った。女性史の大波小波がよく分かったし、就職氷河期にぶつかって苦労した頃を思い出して、自分の努力が足りていなかったことも思い知りました。いつの時代も”まだまだ”がんばれる。女子には絶対にオススメの一冊です。ところどころで入る著者の辛いツッコミが面白かったりもします。
読了日:07月22日 著者:斎藤 美奈子

満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか (PHP新書) 満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか (PHP新書)
自分の世代の生態を考えてみた(笑)。なるほどね〜とか、そうだったのか…とか、ぼちぼち納得のいく内容。でも最終的には世代で括るより個人の考え方、処し方が問題だよ!と思うに至りました。これからも自分なりに納得がいくように生きていこう!
読了日:07月20日 著者:田中 亜紀子

スペイン語のしくみ スペイン語のしくみ
現在、ロゼッタストーンでスペイン語を勉強中。モヤッとしていたところの解説が簡潔になされていて、スッキリしました。迷ったときに軽く参照できる良い参考書になりそうです。
読了日:07月18日 著者:岡本 信照

グロテスク〈下〉 (文春文庫) グロテスク〈下〉 (文春文庫)
いやはや、とても醜かったです。娼婦となり殺害されたユリコや和恵もどうなの?という人となりでしたが、わたしがもっともヒドイと思ったのは、「あたしは可愛い妹を殺された被害者遺族なんです」と欠片も思っていないことを平然と言ってのける”わたし”と、我が子と教え子が堕落したのを自分の不甲斐なさのせいだと背負い込んでイイ気になっている木島先生です。最高に自分勝手でご都合主義。その二人に限らず、人間なら誰しもが少なからず持っている弱い部分が悪い方へ悪い方へと転がっていくところの描写が秀逸でした。
読了日:07月17日 著者:桐野 夏生

るきさん るきさん
ブックフェアで旦那が嬉しそうに買っていた本。期待して開いたらマンガだし…、話もなんだか古い…。そのはずだ。だって初版は1993年。10年以上前じゃないかぁ〜(どうりで共感できる話が多かった笑)。とりあえず、るきさんと親友のえっちゃんが幸せそうで何よりでした。
読了日:07月15日 著者:高野 文子

グロテスク〈上〉 (文春文庫) グロテスク〈上〉 (文春文庫)
姉妹を持たないので、家庭内で”おんな”がこんなにドロドロしている様子って想像できない。学校ってこんなんだったかな? ここまでグロくはないけど、似たような出来事や感情はあったような、なかったような…。とりあえず、上巻だけで終わるわけには当然いかないので、即下巻へ突入します。
読了日:07月15日 著者:桐野 夏生

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
中途半端はイカンという話。副題にあるとおり、オーラをまとった上質な製品や体験を提供するか、誰もが気軽に安く、たやすく手に入れられるモノにこだわるか、どちらかをとることで成功が見えてくる、と。確かに!な事例のオンパレード。成功例だけでなく失敗例も併記されているので分かりやすい。でも現実には、そう簡単にどっちかに決められたり、実行できたりするわけではないな…とも思いました。
読了日:07月14日 著者:ケビン・メイニー(著),ジム・コリンズ(序文),内田和成(解説)

ないもの、あります ないもの、あります
わたし、怒りっぽいんですよね。だから「おかんむり」を注文したいと思います。そして、これをさわやかに使いこなせるように努力したい。どの商品もウィットに富んだ斬新な発想とデザインで、日々の生活に潤いと笑いを届けてくれそうです。
読了日:07月13日 著者:クラフト・エヴィング商會

すっぴんは事件か? すっぴんは事件か?
著者が日頃から”なんか違うんじゃない?”と思っていることを、いよいよ痛烈に指摘してくれた感じで、「へ〜、そういう論理でこれをツッコムのか…」とか、「ふ〜ん、そうやって周囲を観察しちゃってるのか…」とか、意外にも?!役立つ本と化しました。”言いたいから言ってやる!”的なノリも素敵。楽しく(でも少し考えながら)読めます。
読了日:07月12日 著者:姫野 カオルコ

イン・ザ・プール (文春文庫) イン・ザ・プール (文春文庫)
イヤだ、こんな医者…と読み始めは思っていたのが、徐々に”ちょっと会ってみたい”とか思うようになってしまった。患者達の病気がどれも現代ならではな感じで、一歩間違えば他人事ではなくなるような気もして、そういう意味でも引き込まれる。ちょっと悩んでしまっている人にオススメ。伊良部の言動に解決の糸口が見えるかも。
読了日:07月11日 著者:奥田 英朗

大人が知らない ネットいじめの真実 大人が知らない ネットいじめの真実
今の、そしてこれからの子ども達は本当に大変そう。子ども社会のルールとか社交とか、自分が子どもだった頃のものとは明らかに変わっていて、いつの時代も親はそういう現実に直面するのかもしれないけど、”知らなかった”では済ませられないから親も大変。とりあえず知らなかったことを沢山、教えてもらいました。読みやすくまとまっているので大人だけでなく中高生にも読んでもらうと良いかも。
読了日:07月10日 著者:渡辺 真由子

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書) 越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)
受験のために学んだ英語が実はとても大事だということ、これまでの英語教育が実は間違っていなかったということを再確認させてもらいました。間違いどころを端的に指摘してくれているし、採用している例文も幅広い分野から持ってきてくれているので良い。今後も頼りになる参考書になりそう。
読了日:07月09日 著者:越前 敏弥

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫) 打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)
スゴイ人だった。一日に7冊のペースで読んでいたらしい。とても叶わない。でもそれだけのインプットがあったからこそ、各所であれだけのアウトプットをできたのですよね。見習わなければ。また、がんと宣告されてからも自分を曲げず、そして生きることを諦めず、医者の言うことを鵜呑みにすることなく、自分で納得がいくまで闘い続けたことが伝わってきます。本当に、もっと長生きしていただきたかった。
読了日:07月08日 著者:米原 万里

ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック
ユーザビリティ屋の仕事を広く浅くまとめた感じ。同業者としては、ところどころに疑問を感じるような記述があったり、ちょっとニールセンを崇拝し過ぎている感じがあったりしましたが、導入本としては上々の出来だと思いました。
読了日:07月07日 著者:樽本 徹也

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
“自分の土俵を自分で決めれば、自分の人生がそれまでよりずっと思いのままになる”とは名言。これを言いたいために延々と蘊蓄が綴られていたのだと思う。ちょっと長い。後半(下巻)はだれる。流されずに生きていこう!と思わせてはもらいました。
読了日:07月06日 著者:ナシーム・ニコラス・タレブ