世界の人々を笑顔にするデザイン展
2010年06月21日(月) 13:58
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, イベントの話, モノ+コトの話お台場にあるクルマのテーマパークMEGA WEB(メガウェブ)にトヨタ ユニバーサルデザイン ショウケースがあります。性別や年齢、体型や国籍などに関係なく、誰にでも使いやすいモノを作り、提供することを目指す“ユニバーサルデザイン”との出会いを実現し、その必要性を教えてくれる場で、普段はユニバーサルデザイングッズの紹介やウェルキャブ(トヨタの福祉車両)の展示、試乗などを行っています。
そのウェルキャブの展示エリアをごっそり使って、現在Universal Smile〜世界の人々を笑顔にするデザイン展が開催されています。経済的・肉体的なハンディキャップを持つ人々の生活の改善を目指す製品や経済的に窮地に立たされている国や地域の自助努力を支援する試み、災害などで生活を奪われた人々の安心と安全を確保すべく作られたモノなどが展示されていて、中には実際に触ったり、使ったりしてユニバーサルデザイ ンを体感できるものもありました。
世界総人口の38%、約26億人がトイレ不足に悩んでいます。写真[1]のPeepoo(ピープー)はいつでもどこでも使える携帯トイレ。使用後24時間は臭いの漏れる心配がなく、バイオプラスチック製なのでそのまま土に還すことができるのだそうです。また、2〜4週間で排泄物が肥料に変わるようになっていて、肥料として販売し、収入に繋げられるという利点もデザインに盛り込まれています。
阪神淡路大震災の被災現場で医師が発した「多くの人が壊れた家の戸板や畳にのせられて運ばれてきました」という言葉を聞いたのをきっかけに開発されたという緊急用簡易担架レスキューボードは紙製で、使わないときはコンパクトに折り畳んで収納しておくことができるようになっています(写真[2])。レスキューボード自体に使い方や注意点などを描き込み、パッケージから出した後も使い方に迷うことのないよう配慮されていました。これが活躍する日は来ないのが一番ですが、万が一に備えて、また阪神淡路大震災での教訓を生かして、素晴らしいユニバーサルデザインが実現されています。
5月に東京ミッドタウンで開催されていた世界を変えるデザイン展で紹介されていた転がすタンク Q Drum(キュー・ドラム)もありました。しかも水を40リットル入れてくれています。20リットルの水を入れたポリタンクも二つ用意されていて、同じ40リットルの水を運ぶのに、Q Drumがいかに楽チンかを体験できるようになっています(写真[3])。わたしもやってみました。20リットル入りのポリタンクは一つを持ち上げるだけでもかなり大変。油断したら腰をギックリしてしまいそうなほどの重さでした。でもQ Drumは本当に簡単に水を運べました。もう少し欲を言うなら、下をカーペットではなくて砂利道とかにしておいてくれると良かったですね。カーペットの上を引きずって水を運ぶようなこと、実際にはあり得ないわけですから。
と、展示会場のデザインには改善の余地が見られましたが、他にも興味深い製品がたくさんありました。6月27日(日)まで開催されています。