ホテルの差別化戦略

2010年06月16日(水) 11:02

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, クロアチア, スロヴェニア, モノ+コトの話

先日の航空業界のお話に続いて、今日はホテル業界の差別化戦略について。

今回の旅行は毎日ホテルを移動するというなかなかの強行スケジュールでした。同じところに2連泊ずつくらいが理想的な旅程なのですが、どうしても行きたいところの数に反して、とれる日程に限りがあったから仕方ない。毎朝早めに起きて午前中に移動を終え、午後一番に次のホテルにチェックインするというのを7泊つづけてきました。

おかげで7軒のホテルを体験しちゃいました。各部屋に備え付けのアメニティは飛行機内と一緒で経費削減に伴う縮小化が進んでいます。これは世界中で見られる傾向ではないでしょうか。でも他社との差別化を図る意味で、アメニティほど簡単なものもありません。今回の旅行で利用したホテルでも、いくつか面白い試みが見られたのでご紹介します。

 

[1] ロクシタンのピローミスト [2] 耳栓をサービスするホテル… [3] リンゴ置き場まであります

スロヴェニアの首都リュブリャーナで泊まった Best Western Premier Hotel Slon の客室には、昨今日本でも大人気、フランスはプロヴァンス生まれの化粧品ブランド、L’OCCITANE(ロクシタン)のピローミスト(写真[1])が枕元にそっと添えられていました。ラベンダー、ティーツリー、ゼラニウムの3種のエッセンシャルオイルをブレンドしたもので、枕の上半分くらいのところにひと吹きして寝れば安眠をお約束!という触れ書きです。L’OCCITANEの公式サイトで検索しても出てこないので、どうやら日本未発売のようです。なんかラッキー。その夜、早速つかってみました。安眠できました。でも、旅と風邪でぐったり疲れていたのでミストのおかげかどうかは定かではありません(笑)。

クロアチアはアドリア海沿岸の町リエカで泊まった Best Western Hotel Jadran の客室には、なんと耳栓(写真[2])がありました。連れのイビキがうるさくて眠れない!っというお客様のためのサービスです。あるいは、壁が薄くて隣のイビキが聞こえてくるから、耳栓をして寝てください!ってことかな? 耳栓を用意するより先に、壁を厚くしてくださいっ。

最後はクロアチアの首都ザグレブで泊まった Arcotel Allegra というホテルのリンゴ。アメニティとはちょっと違いますが…。オーストリアのグラーツで泊まった Augarten Hotel でも、枕元にリンゴが置かれていましたし、ヨーロッパではちょくちょく見かけるサービスです。日本の温泉旅館へ行くと、お茶菓子が人数分用意されていたりしますけど、アレみたいなものでしょうか。でも Arcotel の場合は、“リンゴ置き場”が壁に設置されていて少し驚き(写真[3])。掃除を終えたら、最後にポンっとリンゴを所定の位置に置くのでしょうか。毎日あたらしいリンゴに差し替えているかどうかは不明ですが…。

こうして各部屋にちょっとしたサービスを追加することでお客さんの心証は良くも悪くも移ろいます。お客様同士のクチコミが鍵を握る業界だからこそ、ちょっとしたところに気を配るエクスペリエンス作りが大切ですよね。