サービスのタイミング

2010年06月15日(火) 17:57

UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, モノ+コトの話

コーヒーのスペシャリストは、“バリスタ”というのだそうです。そう、オーストリア航空にはそのバリスタが数名乗務していたわけです。制服はシェフっぽかったですけどね…。古田@道具眼さん、情報ありがとうございました。 

実はコーヒーはあまり飲まないのです、私。だからせっかくのバリスタさんのお手前も拝見しないままに終わりました、残念ながら。普段もスターバックスにはあまり行きません。が、先日打ち合わせ前の時間調整で久しぶりに入ってみました。注文したのはアッサムブラックティーラテ。紅茶です。

 


何を頼んだのかは特に重要ではないのでスルーしますが、ゆっくりするほどの時間がなかった私は普通にショートサイズ(一番小さいサイズ)を注文しました。すると店員さんがあのお決まりの台詞、「お持ち帰りですか? それとも店内でお召し上がりですか?」をおっしゃいました。「店内で」という私の返答を受けた店員さんは「紙コップにご用意しますか? それともマグカップでもよろしいですか?」と続けました。打ち合わせ先に持ち込める感じではないよな…と少し迷っている私に店員さんが、「マグカップでしたら一つ大きなサイズでご用意させていただくことになるのですが…」と言いました。ケチな性分の私の迷いはあっさり吹っ飛んで、「じゃ、マグカップで」とオーダー完了。ショートサイズの料金で、トールサイズ(一つ大きなサイズ)の紅茶を美味しくいただきましたとさ。

店内で飲食するお客さんには極力マグカップを使ってもらいたい。そうすれば紙コップの利用量が減り、経費削減だけでなく、ゴミの軽減にもつながって環境に優しいです。いかにもスタバっぽい発想だな〜、ウマイなぁ〜と思いながら、店員さんと他のお客さんとの同様のやり取りに聞き耳立ててみました。「マグカップなら一つ大きなサイズでサービスします」という申し出をするタイミングが結構むずかしそうだな…というのが私の観察結果です。

店内で少しゆっくりしてから、残ったコーヒーなり紅茶なりを片手に外へ出ようと最初からほぼ決めているようなお客さんだと、タイミングによってはかなり迷ってしまうことになるかもしれません。それに、ケチ度を測られているような悪い印象をお客さんが持つことのないよう、タイミングも言い方も十分に気をつける必要があります。お客さんの様子にあわせて、この提案をしたり、しなかったりという感じでしたが、提案を受けなかったお客さんが他の客とのやり取りを聞いて、「なんだよぉ〜、大きいサイズにしてくれるならマグカップにして店内で飲んでいくことにも出来たのに…」と不満を抱く可能性もあります。かといって、全員に等しく提案をするのであれば、最初から紙コップの場合の料金とマグカップの場合の料金を別に設定することを考えることになるかも…。すると、せっかくのウマイ発想が面白みを欠いてしまうし、料金設定も複雑になって、普通にスタバのコーヒーを楽しみたいと思っているお客さんにはかえって分かりにくくなってしまうかもしれません。

ちょっとした付加サービス一つでも、こんなに考えなければならないことがあるってことです。勉強になりました。スターバックスがこの問題をどう落ち着けるのか、今度、他店でもチェックしたいと思います。