翻訳とローカライズの違い
2010年02月07日(日) 04:51
UXいろいろ, サインやUIの話, モノ+コトの話“WiFi Body Scale”の話のつづきです。
金額相当に使い込むために、まず体重計の登録というのをしなければならないのですが、日本人ユーザーのために日本語で案内してくれるようになっていて、とても便利です。ダイエット指向の強い日本人に売り込むぞ!という気合いが感じられます。
登録のフロー(流れ)自体はとてもよく出来ていて途中で迷うことはなく、製品本体のクオリティ同様、旦那と二人で感心しきり。そして同時に、手ぬるいローカライズの出来に笑いっぱなしでした。
体重計とPCを付属のケーブルでつなぐと表示されるWelcome画面(写真[1])でいきなり、この先に笑える旅が待っていることを予感させてくれるボタンと遭遇しました。ボタンにはおそらく“WiFi Body Scaleをインストール”というラベルがつくはず、というか実際についているのですが、ボタンに訳語が収まりきらず“WiFi Body Scaleをインス”までしか表示されていません。“体重計をインストール”にするとか、ただ“インストール”にするとか方略はいろいろありそうですがね…。
そのボタンを押して先へ進むと、いちばんの難所に出くわします(写真[2])。
これまでに存在しなかったブランド-WiFi Body
Scale
(もしくは生まれ変わったWiFiネットワーク)
日本語に翻訳したら長くなっちゃってってこと、よくあるのですが、だったら改行位置を工夫するか、訳語を再検討して日本語で1行に収まるようにするか、したいところです。それに何より、“もしくは生まれ変わったWiFiネットワーク”の意味が分かりません…。
[3]の写真は単純に訳語の話。“アップデイト”じゃなくて“アップデート”だよね。
このとおり、世界にはまだまだ、翻訳(その国や地域の言語に換えること)とローカライズ(その国や地域の慣習や嗜好に合わせて修正を施すこと)の違いを理解していない人が大勢います。言語が換わっていればそれで十分って思わないでいただきたい。もう一歩踏み込んでローカライズすることでよくなるWebサイト、たくさんあるんです。翻訳も、実はモノを見ることなく、ただ英語を日本語に訳すことを求められていたりする可能性があるので一概に責められませんが、せっかく日本語にしてくれるなら、もう一歩ふみ込んで、そういうところまでチェックする体制や姿勢や意識を持ってくれると嬉しいですね。