トイレの正しい使い方?!
2009年07月25日(土) 08:53
UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, シカゴ, ヒトについて, ポートランド, モノ+コトの話少し前の話になりますが、ポートランドの空港で、アメリカにしては珍しく流すときの水量を選べるトイレに出くわしました。小便を流すとき(英語では“liquid waste”と言うようです)はハンドルを上げて少量の水を、大便を流すときは(小便の“liquid”に対して大便は“solid waste”です)ハンドルを下げて多めの水を流します。便座に腰掛けたときに真っ正面にくる位置(つまりドアの内壁です)に写真[1]のシールが貼られていたので、よっぽどのうっかりさんか、周囲に目もくれられないほど緊急を要してトイレに駆け込んだ人でなければそうそう見逃すこともないでしょう。写真はありませんが(いやいや、シカゴで写真[2]を入手しました!)、肝心のハンドル部分にも色を付けたりして、「あれ? 普通のハンドルと何かちがう…」と思わせる工夫がしてありました。
この(私の目には)目新しいトイレでふと思い出したこと。アメリカに来てから実はずっと気になっていて、誰かに確認したい!と思い続け、しかし聞く相手がいなくて聞けないままになっていたこと。それは、ハンドルを動かして水を流すときに“手”を使うか、“足”を使うか、ということです。気心の知れた友達になら聞ける!ってことで、ポートランドで5年ぶりの再会を果たした友達に、いきなり変な質問ぶつけてみました。そして彼女の答えは、即答で“足”だった(笑)。
ある夜、友達夫婦とその親友夫婦、そして我々の6人でバーへ飲みに行きました。チャンス到来! まずは病院勤めをしているという友達の友達に同じ質問。そして答えは同じく“足”。手を使うなんてあり得ないとのことでした。そして逆質問。「手を洗ってトイレを出るとき、まさか普通に手で取っ手を触ったりしてないよね?」と問われ、「え〜? ドアも足で開けるの?」と私。足で開けられないときは、手を拭くのに使ったペーパータオルを使って取っ手を掴みドアを開ける。そしてその開いたドアが閉まってしまわないように足でドアを押さえ、そのすきに取っ手を掴むのに使ったペーパータオルをゴミ箱(の方)へ投げる。こうしてトイレのドアや取っ手に触れることなく出てくるのが然るべきトイレの使い方であ〜る、と彼女力説。「アメリカ人の35%はトイレの後、手を洗わないのよ! だからトイレのドアとか触っちゃダメ!」と怒られました。35%って…、すんごい具体的な数字だよ…。
その後、男性陣がトイレへ行って戻ってきたところにすかさず同じ質問。アメリカ人男性二人の答えは、キレイにしているトイレなら“手”、汚いトイレなら“足”を使うということで一致し、女性陣から「使い分けてるなんてエライじゃない」と褒められる。ドアの取っ手を掴むときにもきちんとペーパータオルを使って直に触ることのないようにしているとの発言に女性陣大感激。「聞いたことなかったけど、それでこそ私の旦那よぉ〜」とか言っちゃってる。
もう一つ、長く疑問に思っていたことが一連の会話からクリアになりました。トイレの洗面所の脇にペーパータオルが備え付けてあって、手を拭くのにそれを使えるようになっているのは日本と同じです。ペーパータオルの取り出し口の下にはゴミ箱も併設されている場合が多く、手を拭き終わったらそこへペーパータオルを捨てられるようになっています。これも日本と同じ。でも、なぜか別に大きなゴミ箱がドアの近くに用意されていることが多いんですよ(写真[3]/左手前が洗面所、右奥が外へ出るためのドアです)。これはドアの取っ手を掴むときにつかったペーパータオルを捨てられるようにってことだったんですね。
ドア付近にゴミ箱を置けず少し離れたところに設置しているトイレもよくありますが、そういうところのゴミ箱の回りには、ゴミ箱へ入り損ねた使い古しのペーパータオルたちが散在していることが多いです。なんでこんな巨大なゴミ箱を別に用意する必要があるの? おまけにこんな大きな口のゴミ箱にもゴミをきちんと入れられないってアメリカ人はどうなってんのよ!と不思議に思っていたのですが、ドアの辺りから放り投げているなら、シュートに失敗して床に落ちてしまうケースが多々あってもおかしくありません。
ここまでトイレのドアに触れることを毛嫌いする割に、土足でベッドに上がったり、床に座ったり寝そべったりすることには抵抗がないっていうのは私の目には少々奇妙に映るのですが、清潔・不潔の感覚がやっぱり違うんでしょうね。