カート置き場の示し方

2009年03月14日（土） 04:27

UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, アメリカ縦横無尽, オランダ, サインやUIの話, パロアルト暮らし, モノ＋コトの話

IKEAつながりでもう一つ。

 

[1] IKEAのカート置き場 [2] スキポール空港のカート置き場

写真[1]は、IKEAの駐車場と売り場とを結ぶエレベータ付近の様子です。 荷物運びに利用されたカートが、無秩序に置き去りにされています。 最初は「お客さんのマナーが悪いなぁ」と思ったのですが、いざ自分もカートを置いて車に乗り込もうと思ったら、“ここにカートを戻してください”的な場所が見あたらず、また、エレベータ前でとっちらかっているカート群が“カートはこの辺りに適当に置いていっていいよ”という雰囲気を醸し出していたこともあって、私もここに置いてきてしまいました。マナーの悪いお客さんに仲間入り…。

実際に商品を使っている様子を想像しやすいようにショールームを設けたり、身軽に店内を見て回れるよう大型商品のピックアップは最後にまとめてできるようにしたり、駐車場にはハイブリッドカー専用のスペースを設けたり、その他にも細々と工夫を重ねて、これまでとは違うショッピングの形を提供してくれているIKEAですが、カート置き場までは頭や手が回っていないようです。

一方、写真[2]はオランダのスキポール空港です。エスカレータにはカートを持ち込むことを禁じていて、乗り口にはポールを立て、持ち込みを防いでいます。興味深いのは、エスカレーターの横に引かれている黄色い線。カートが一つ、やはり無造作に置き去りにされています。こうやって線を一本引くだけで、“カートはここに置いて行ってください”というメッセージになるものなんですね。

さらには、カートを集める係の人が、カートを一つだけ残していったという可能性も考えられます。こうして黄色い線の内側にカートがあれば、“カートはここに置いて行ってください”というメッセージがより強力なものになって、人々の行動を先導することでしょう。

一台のカートを意図的に置いていっているのだとすれば、スキポール空港のカート回収係はとても優秀です。