2023年12月の読書記録
2024年01月05日(金) 15:17
本&映画の紹介12月も忙しかったのだが、大阪出張が2回と群馬+新潟旅行が1回。それと、横浜郊外に引っ越したおかげで仕事で出かけるときの移動時間も延びまして、おかげで読書は順調でした。
借り読みが多めな分、ゆるめな本が多くなってしまっています。そんなゆる系の中では川内有諸さんの『パリでメシを食う。』がとてもオススメ。なにより文章が美しい。パリの情景やフランス人にもまれて涙したり、奮起したり、がんばる日本人の姿がありありと想像できました。彼女の本、ぜんぶ読みたい。
小説はなんといっても『模倣犯』シリーズです。電子書籍化するのをずっと待っていたけれど、宮部みゆきさんはそこ断固として譲らない感じなんだなーってことで、観念して紙本を大人買い。そして文字通りの一気読み。
読んだ本の数:15
読んだページ数:4664
ナイス数:135
なぜ豊岡は世界に注目されるのか
城崎温泉へ向かったときが1回目。そのとき見逃した玄武洞へ向かった今年が2回目の豊岡訪問でした。コウノトリの郷は素通りだったな…。地方創生のお手本になりそうな良書ではありましたが、ではなぜ市長選に敗れたのだろう?彼が捉えられていなかった市民の声があったということだろうか? あと「結局トップダウンということか?」という疑問も残ったな…。行政を動かすためには。とりあえず、豊岡界隈はたしかに魅力的だし、流れですてきなお宿も見つけてしまったので、よし、また行こう!
読了日:12月02日 著者:中貝 宗治
雪の練習生
大阪出張のおとも。熊も大変なんだな笑。日本のあちこちで熊が町に降りてきて大変!というニュースが増えている昨今、われわれ人間の身勝手で熊をはじめとする動物たちの生活や一生を左右してきたこと、現在進行形でしてしまっていることをぼんやりと考えさせられる、そんな読書でした。
読了日:12月05日 著者:多和田 葉子
模倣犯1
今年のノルマ本ラストにやっと手を付けました。そして尋常じゃない面白さで一気読み。これは最終巻まで今月中にいけるのではないか?と思うほど。ディテールまで丁寧に描かれていて、犯人のキイキイ声や被害者遺族の悲痛の叫びが聞こえてくるのはもちろん、そこにこれほどの紙幅を割くのは伏線か?と思われるところの連続で、読むほうも丁寧に文字を追うことを余儀なくされる。一連の事件が犯人の事故死で幕を閉じたかに見せる終わり。本当に犯人なのか?とりあえず絶対に違うという仮説を持って2巻へ行きます。
読了日:12月10日 著者:宮部 みゆき
模倣犯2
移動中に一気読み。由美子のお見合い相手は誰や? 何巻で出てくるのかなー、1巻でもう登場してるのか? いや、食いつくところソコじゃない笑。1巻の最後に死んだ(ことになっている)犯人たちの話。栗橋はクソ野郎すぎて読んでいて吐き気を催すレベル。親の育て方に問題があったのは間違いないけれど、一流と呼ばれる大学へ進学し、企業に就職するだけの頭があったのならば、ちがう生き方を選べたはずだ。おそらく良心を欠片も持たないピースと出会ったのがマズかった。そして彼は生きているという仮説を持って3巻へ。
読了日:12月12日 著者:宮部 みゆき
模倣犯3
ピースにはめられて二人が死ぬことになると想像してたけど違った。リアル事故死だった笑。カズなんでシートベルトしてないん?(まだ取り締まりが厳しくなる前の時代背景なんだよなー)高井兄妹はどちらもお人好しが過ぎるよ。両親に大切に育てられたからお人好しでいられたということなのだろうけど、それにしても…。ヒロミのことをそこまで想う気持ちのほんの少しだけでも、”加害者の家族”という汚名を両親と妹へ着せることになるという現実に向き合って記録のひとつでも残しておけたら良かったのにぃ。もはや止まれないので、速攻4巻へ。
読了日:12月17日 著者:宮部 みゆき
模倣犯4
4巻は警察やジャーナリストが真相を掴むべく地道にがんばる話が中心。そしてピースの本名判明。ってか、由美子が恋に落ちちゃうとかそんな残酷な展開よく思いつくな…。被害者の会の立ち上げをそそのかして遺族からお金を取ろうとする悪徳弁護士(たぶん偽物)も登場するし、もう頼りになるのは有馬義男だけだよー。じーちゃん頼む、ピースに気づいてくれ! 篠崎刑事、首をつっこんだついでにピースを怪しんでくれ!と、応援しながら読むのだが、ピースの暗躍が続く予感。いやホントに止まらない。次はいよいよ最終巻。
読了日:12月20日 著者:宮部 みゆき
模倣犯5
「僕は模倣犯なんかじゃないぞ!」と自爆するピース改め網川。やはり親も殺していたか…。わたしが予想していたのは「父親」のほうだったけれど。不遇な出自を隠し通して笑顔で生き続けるのも辛かっただろうけど、最後にやっと涙することができた有馬義男の強さや辛さと対比すれば、網川の歪んだ性根と救いようのなさが際立つ。真一と篠崎が幸せになれそうなのがうれしい反面、和明と由美子をともに失ってしまった蕎麦屋の両親はかわいそうすぎる。ということで、文字通りの一気読みでした。宮部みゆきはすごかった。
読了日:12月22日 著者:宮部 みゆき
中原昌也の人生相談 悩んでるうちが花なのよ党宣言
カエルが表紙に描かれている本は買うことにしているのです笑。それにしても、みんなどうでも良いことに悩んでいるなぁ~。「会社の飲み会が苦痛」と言っている女子に、「相談している場合じゃない。強くなれ」と説く。「変なことをしているだけの人はさせておけ」と突き放す。ヤクザの背中に4コマ漫画を彫ってしまえ!とかいう乱暴な返しもあったな。つまり、相談している人も相談に応えている人もマジっぽく見せてぜんぜんマジじゃない。よって気楽な読書が成立。それなのに、見てみたいと思う映画情報が手に入るというスグレモノ。
読了日:12月24日 著者:中原 昌也
鳩居堂の日本のしきたり 豆知識
群馬のお宿で借り読み。しきたりの数々をぜんぜん知らなかったり、知ってるつもりになっていたことが判明して反省しきり。「はなむけ」が「馬の鼻向け」に由来していて、平安時代から使われていたとかね。子どもがいないこともあるけれど「十三詣り」なんて初耳すぎるし笑。慶次と弔事でふくさの包み方も違うとか、気にしたこともなかったわ泣。とりあえず「蔵書印」を作っちゃおうかなぁ。絶対に売らない、売れない、宝物的な本に押しちゃう祭り。やりたい。
読了日:12月25日 著者:
パリでメシを食う。
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』が素晴らしかったので川内有諸祭りの可能性を探るべく。いやはや本書も素晴らしかった。パリへ流れ着いた人たちの人生を著者の目線で解釈して伝えてくれる。わたしはパリよりもロンドンに憧れた口だし、シャルルドゴール空港で捻挫した経験だけでフランスを毛嫌いするくらいパリどうでも良い派なのだけど、打ちのめされるのがキライじゃない人たち、ちょっとマゾっけのある人たち、そして悔しさをバネにできる人たちにとってはきっと魅力的な街なのだろうな。結局自分には合いそうにないことも再確認。
読了日:12月25日 著者:川内 有緒
なにかいいことー自分をほどく知恵のことばー
群馬のお宿で借り読み。頑張って生きている人たちに「そんなに頑張らなくて良いんだよ」って優しく教えてくれる感じ。わたしもまあまあ頑張って生きてるけど、結構頻繁に自分を褒めてるし、仕事だけじゃなくて趣味も充実させるようにしてるし、付き合いたくない人とは付き合わないし、そういうの頑張れるタイプじゃないって自覚したから早々に会社員やめたし、つまり、読む必要なかったんだけど、世の中にはこういうこと言ってもらわないと自分を解き放てない人がたくさんいるんだぞ、ってことを再確認させてもらいました。無駄な読書はない笑。
読了日:12月26日 著者:服部みれい
八百屋とかんがえるオーガニック
新潟のお宿で借り読み。農と農業の違いかぁ、深い。新宿御苑でかつて作られていた「内藤とうがらし」、食べてみたい。「花が咲く前の野菜」を食べるとは「花を咲かせるための栄養分」をいただいているということ。「未熟な種」でいっぱいの夏野菜。「成熟する前のやわらかい種」を食べるのが秋。「花や種になる栄養の詰まった根や茎」をいただくのが冬。知らない野菜がたくさん紹介されていて単純にワクワクした。上手に調理できるかどうかわからないけど、買ってみることにするよ古来種野菜。よし、来年の挑戦だ!
読了日:12月27日 著者:warmerwarmer,高橋 一也
幅書店の88冊 あとは血となれ、肉となれ。
新潟のお宿で借り読み。「アメリカの賢い変人」が著した一冊を紹介する中に出てきた「宮殿の権威も心配だが(中略)アンドレの視力の方がもっと心配だったではないか!?」の一文に果てしなく共感した笑。いやしかし、ブックディレクターなる仕事をする人は、幅さんだけに幅広い。写真集、詩集、絵本に漫画、小説、自伝、エッセイに、あと雑誌など、どんだけ引き出し持ってるの?と。しかも手に入りにくいものも多い。いくつか気になったものは読んでみたいです。
読了日:12月27日 著者:幅 允孝
訂正する力
年の瀬に哲学に手を出してしまった…。「人間と人間は最終的にはわかりあえないもの」というスタンス大事。できるのは「理解の訂正」だけ。「じつはこういうひとだったのか」という気づきの連鎖。「わかったつもり」にならないこと、現実から目を逸らすのではなく現実を「再解釈」すべく訂正を意識すること、「メタ意識」を働かせながら自問自答し訂正の契機を見逃さないようにすること、などなど、インタビューを下支えする大切な考え方が続々と登場して唸りっぱなし。「聞く力」をつけたい人には良い参考書となる…かも。遠回りかもしれんが笑。
読了日:12月30日 著者:東 浩紀
世界の市場 : おいしい! たのしい! 24のまちでお買いもの
姪っ子へのクリスマスプレゼントを渡す前に借り読み。旅先で市場に行くの楽しいよねー。あいている日時がわかりにくかったり、地元民の日常生活を邪魔しちゃいけないとか考えてついスーパーマーケットで手軽に済ませることも多いけれど、いずれにしてもちがう土地と文化に生きる人たちの食生活や食嗜好を見せてくれる最高の観光地だと思う。わたしの見た中国の市場はもっとグロテスクだったけど、同じ国でもNYとサンフランの市場はぜんぜん違うもんね。世界の多様性に目を向けている(のかどうかは知らんが)姪っ子のチョイスはなかなかです。
読了日:12月31日 著者:マリヤ・バーハレワ
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