2021年11月の読書記録
2021年12月06日(月) 12:48
本&映画の紹介11月前半が忙しすぎて、いよいよ2桁がヤバイかと思っていましたが、後半に予定していた仕事が延期になったおかげで助かりました。ゆるい本が中心ですが無事に余裕で2桁達成です。
小説は、今さらな『キッチン』も良かったですが、ハズレのない貫井徳郎さんの『灰色の虹』が切なかった。『殺人都市川崎』は描写がグロテスクなので、そういうのがダメな人には完全にダメですし、川崎のイメージがかなり下がりますので覚悟して読む必要があります笑。
その他、ほとんど雑学本という中で『「深い学び」の科学: 精緻化・メタ認知・主体的な学び』だけはちょいと難しいけど薄いので興味のある人なら読破できる学びについての深イイ一冊。学校教育が少しずつだけれど変わってきているらしきことも知られて(少しだけ)日本の未来に光が見えるかも。よって、子育て中の親御さんにもおすすめです。
読んだ本の数:12
読んだページ数:2706
ナイス数:60
北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし (正しく暮らすシリーズ)
大変な仕事がひとつ片付いたところで気持ちを軽くするために読んでみた。スウェーデン人のご主人とってあったので、スウェーデン暮らしの話だと思っていたら、ノルウェー暮らしだった笑。しかもかなり極北に近く、果てしない田舎。おまけに暮らしたのは1.5年のみ。引き上げるの早いぞー。引き上げることにした理由がはっきり書かれてなくてモヤモヤするし。それでも共感できることや知らなかったことも出てきてゆるゆると楽しいお気楽読書でした。私もこんなゆる〜い感じの北欧暮らし本を書きたいなー。ネタは山ほどあるんだけどな…。
読了日:11月03日 著者:桒原 さやか
灰色の虹
密かに開催中の貫井徳郎祭り。冤罪が家族の人生を台無しにする物語。一番許せないと思っていた適当すぎる目撃者が、心ある刑事の計らいで命拾いするラストが腹立たしく歯がゆい。この刑事が事件を最初に担当してくれていたら、冤罪がそもそも起きなかったかもしれないと思えるのがまた切ない。母親の絶対的な愛も沁みる。私は果たして弟を許せるだろうか?いや、その前に信じられるだろうか? それにしても、貫井徳郎はハズレがないぞ。悲しく腹立たしい物語ばかりだけどやめられない。来月はどれにしよう?
読了日:11月05日 著者:貫井 徳郎
「深い学び」の科学: 精緻化・メタ認知・主体的な学び
メタ認知についてもう少しわかりやすく説明できるようになりたくて、副題を見て飛びついた。学者先生らしく理路整然と背景にある研究事例も交えて解説してくださっていてとても参考になりました。が、子供たちを深い学びへと導くための道しるべ的な内容なので、これを大人の学びやユーザー調査の現場という文脈に置き換えたときにどこを使ってどう説明するかを掴むにはもうすこし咀嚼が必要。年末にでも再読かな。精緻化も合わせて勉強しよう。
読了日:11月10日 著者:北尾 倫彦
色の辞典
毎日少しずつ、へーとか、ふぅ〜んとか言いながら読んできましたが、色の名前は全然頭に入らなかった笑。それは萌黄色、こっちは柳色、そしてこれは苔色!みたいな感じで言えるようになったらカッコイイな(たぶん一生無理だが)。せめて水引の色くらいは言えるようになろうと思っていたのだが、最近仕事が忙しくて水引を呑気に結んでいる暇もなくなってしまったわい。覚えようとすると辛いので、「辞典」としていつでも参照できるように携えるところから地道に始めようと思います。道は長い。
読了日:11月14日 著者:新井美樹
辞典語辞典: 辞書にまつわる言葉をイラストと豆知識でずっしりと読み解く
ブックカルテ選書7/7冊目。やっとラスト。辞典って読むものじゃないよね?と思いながら頑張って読みました。辞書/辞典づくりが半端なく大変であろうことは想像に難くないが、関連用語で辞典をつくれるほどとは思ってなかった。プロ野球チームとのタイアップが意外と多いとか、発刊年月日が書店に並ぶ日よりも遅いのは返本を先延ばしするためだとか、おもしろ小ネタも手に入りました笑。ヘボン式ローマ字のヘボンさんは辞書編纂者だったとかも。しかしコレは、自分では選ばない確かに。
読了日:11月17日 著者:見坊 行徳,稲川 智樹
人生で大切なことは泥酔に学んだ
下北沢の本屋B&Bにやっと行けたけど、すでに飲んだ後だったので飲まずに泥酔本を買ってきました笑。歴史に名を残した人たちがいろいろやらかしたことを丹念に調べてまとめ上げた著者は「自分はまだマシ」ってことを確認したくて書いてるんだろうなー(はい。読んでる私も同じです笑)。そして、最後の最後、女優原節子の台詞に衝撃的な変換ミスがあって笑った。きっと校正のときも飲んでベロベロだったんだろうな~ってさ。「酒呑みは他人に優しいが自分には、もっと優しい」は名言。今週も頑張ったから、さぁ呑もう!
読了日:11月19日 著者:栗下直也
新・人間関係のルール
冒頭の「あいづち力の極意」と「傾聴術の極意」は速攻転用させてもらえる知恵の宝庫で幸先良好、期待増大という感じでしたが、その後はコミュ力が低いと言いつつコミュニケーションが必要な場へ出張って頑張る著者のおもしろ苦労話(とちょっとだけ参考になる対処法)がゆるく語られるだけ。共感できるところはたくさんありましたが、わたしはもうそんなに頑張りたくないので参考にはしません笑。わたしも飲み会を途中で抜けるのすごく苦手で、つい最後までいてしまい二次会にも連行されるというのが若い頃の悩みでした。信じてもらえんかもだけど。
読了日:11月19日 著者:辛酸 なめ子
キッチン
『ニッポンの文学』からの抜粋11冊目。祖母を亡くしてひとりぼっちになったみかげに寄り添う田辺親子。ある意味、父と母をいっぺんに失った雄一に寄り添い返すみかげ。ふたりが、結ばれないままに手を取り合って支え合う様子を、単純にうれしいと思ってしまうオバサンがわたし。『ムーンライト・シャドウ』も、身近な人の死を乗り越えようとする若者たちの姿は眩しくて応援したくなるのだが、霊感的な話を持ち出されるとちょっと違うな……とか思っちゃった。表題作のすばらしさがかえって際立った感じがある。
読了日:11月20日 著者:吉本ばなな
模様と意味の本—明日誰かに話したくなる模様のはなし
ゲシュタルト心理学を復習してから、まずポルカドット。ダンスの名前が起源とは知らなかった。ペイズリーはオーストリアではタマネギ、アメリカではピクルス、ウェールズでは梨。何に見えるかはお国柄で違ってくると。フルール・ド・リスとカエル。いや、そもそもフルール・ド・リス自体よく知らなかったし。そんな感じで雑学やまほど手に入りますが、選抜されている模様が意外と少なかったのはちと残念。もうすこし浅くても良いから広げてほしかった。あと、タイポありすぎ。
読了日:11月22日 著者:ジュード・スチュアート
経済は地理から学べ!
2022年度の高校入学生から「地理総合」が必修化されるんですよね(タモリ倶楽部情報笑)。にわかに地理の先生が注目を集めているわけですが、これは、嫌いな経済を地理起点で学べるというありがたい一冊でした。中国がアフリカ諸国へ投資する理由のひとつに対台湾戦略があるとか考えてもみなかった。日本が唯一豊富に抱えている資源は「水」のみで、その他を輸入に頼る弱さは今後ますます厳しくなっていきますね。強みの一つだった人口も今後はネックになるし。先行きはまあまあ暗いことを再確認する読書となりました。
読了日:11月24日 著者:宮路 秀作
殺人都市川崎
タイトル買い。この春、川崎市幸区に越してきて、極めて平和に暮らしておりますが、川崎区と幸区は子育て向きじゃないなやっぱり……とか思いながらふつうにのめり込んで読みました。そしてスゴイおち。え?ってなった。そこまでしてスパイを育てて、日本に送り込んで、何をしたいねん?て。まー、拉致られた人とか実在するわけだし、なくはないかもしれないけど、やっぱりないだろう笑。育成するなら子どものうちからっていうのはわかるが、合格した赤星くんが立派なスパイに成長する様はまったく想像できない。
読了日:11月27日 著者:浦賀和宏
せかいいっしゅう あそびのたび
小さなお友だちへプレゼントする前に読んでみた。なかなか楽しそうな遊びが紹介されていて感心。カナダのイクシンミアクは身体がかたくなった大人には地獄っぽい。ルーマニアのファザンは大人も一緒に楽しめそう。インドのムルギーずもうは大人こそ向きになって怪我しそう笑。いろんなタイプの鬼ごっこが世界中にある。やっぱり子どもたちは、元気に外を走り回っているのが一番だし、それは世界共通ってことですね。
読了日:11月30日 著者:平澤 南,ペズル