セミナーのふり返りその①
2021年08月17日(火) 13:19
UXいろいろ, 日本発信四方山話, イベントの話, リサーチャーの知恵袋- REVIEW OF MY SEMINAR PART1
- Time flies, and 1 month have passed since I offered a talk about my book. The organizer shared the result of the questionnaire, which looked Figure 1. Wow, all attendees enjoyed my talk somehow, which was great. But wait! I know that only 39 out of 200 attendees filled out the questionnaire (which is sad...), so I should look at Figure 2 instead, and I should assume over 80% (those who didn't fill out the questionnaire) mightn't enjoy the talk at all (which is awfully sad...). That's why I need to review my own talk and revise it for the next opportunity.
だいぶ時間が経ってしまったけれど、HCD-Net関西支部主催で実施した『ユーザーの「心の声」を聴く技術』出版記念講演に寄せられた感想や質問についてふり返ります。
資料や語り口に対する高評価が多く、うれしい内容の感想をたくさんいただきました。
- 資料が可愛く分かりやすかった
- 話し方のテンポや、内容が心地よいバランスなのは流石
- ズバッと本音で語っていただけるので、勉強になってありがたい
- 実践に裏打ちされたお話がとても興味深かったほか、語り口も軽快で面白かった
「楽しかった」といった「感情」がセットになった「エピソード記憶」は長期記憶の箱に入りやすいという記憶の特徴を生かすために、話をする機会をいただいたときは楽しんでもらえるように準備をするし、話をするように心掛けているので、それを受け止めてくれた方がたくさんいたのは本当にうれしいです。
アンケートの第一問目が「楽しかったですか?」だったのも仕込みです。そして、こんな結果をいただきました。
これを見て、一瞬でも「すごーい! ポジティブな評価しかない!」と喜んでしまったそこのわたし! これぞ確証バイアスです笑。自分の欲しいデータだけを抜き出して見ようとしたり、欲しくないデータの存在を見ようとしなかったりして確証バイアスに引っ張られてしまってはデータの真意を読み取り損ねます。このアンケート結果は、下のようなグラフに直して受け止めなければなりません。受講者が結局何人だったのか定かではありませんが、200人を超えた瞬間はあったと思うので、総数を200人としてあります。
それにしても「無回答」が多いですね……。オンラインセミナーになり、紙のアンケートよりも回答しやすくなったと思うのだけど、提出するかどうかを「見張る目」がなくなった分、提出率も減ってしまうんですね。より良いセミナーの開催を期待するならば、アンケートに回答して運営側や講師にニーズや不満を伝えるべきなのに、そういう態度の受講者はわずか20%しかいないという現実がすこし悲しいです。でも、残り80%の人全員が、セミナーの内容に対してネガティブだったと仮定し、彼らがアンケートに辛辣なコメントを書きまくってわたしが果てしなく凹む結果になった可能性もあるわけで、それはそれで嫌だな……とも思う笑。
寄せられた「学びたりなかった点」のコメントから推測するに、アンケートに回答しなかった人たちも含めて受講者が感じたであろう不満は「スライドはもっと山盛り用意されていたのにその一部しか共有されたなかったこと」と「データを分析し、インサイトへとつなげるところについての言及がなかったこと」がトップ2でしょう。
まず前者「スライドはもっと山盛り用意されていたのにその一部しか共有されたなかったこと」は、時間が限られているのだから仕方がないというのが正直なところですが、あえて解決策を考えるならば次のとおり。
- 解決策1:面白くないマシンガントークで時間内に全部おさめる(すると、語りが速すぎて聞き取れなかったとか、楽しめなかったという別の不満が出る)
- 解決策2:講演時間を最初から長く設定する(運営側の予算の問題がクリアすれば実現可能だが、長すぎてダレたり、参加する人が減るという別の問題が生じる)
- 解決策3:スライドまだまだある感を出さない(Zoomで画面共有しながらスライドをこっそり飛ばしたりとかする技が手に入ればできそう。そんな技を知っている人は教えてください)
続いて2つ目の「データを分析し、インサイトへとつなげるところについての言及がなかったこと」は、準備と実査の勘どころを話すって事前に言っているから期待されても困るし、チラリと盛り込んだところで腹落ちする話をできそうにないから、別のセミナーを受講していただくしかありませんね。HCD-Net関西支部なら、わたしよりもそこのところをみっちり語れる人を呼べるはずですのでよろしくどうぞ(という無茶振り)。
ということで、寄せられた質問にもお答えしようと思っていたのですが、長くなってしまったので明日につづく。