スウェーデンにはもともと、サマーハウスを所有する文化があります。日本でも資産家が軽井沢のような避暑地に別荘を持つ文化はありますが、スウェーデンのサマーハウスはもっと庶民に根付いています。夏の間にがっつり4～5週間の休みを取り、家族全員でサマーハウスへ行きます。住んでいるところからはるか遠い場所にサマーハウスを持つのではなく、夏じゃなくても行きたいときにササッと行ける距離、車で数時間圏内に所有している人が多いっぽい。こうしたサマーハウスは、夏の間は自分たちが使うのでおそらく貸し出していません。それでも、自分たちが使わないときにエアビーで貸し出せばちょっとした副収入になります。

都市の郊外やかなりの田舎で広々とした土地を持っている人は、親戚や友だちが遊びに来たときに使ってもらうためのゲストハウスを自宅の近くに建てちゃっていたりします。しかし、ゲストが来ないときは空き家状態になるので、エアビーで貸しちゃえば、副収入になってよくない？ってな感じでおそらく貸すことになるのでしょう。サマーハウスと同様、良い季節は自分の親戚や友だち優先になるので埋まってしまうのではないかと思います。

そして完全なる主観ですが、エアビーで貸すつもりで建てられた新しい物件も案外多い印象です。そしてその背景には、エアビー登場の前年、2007年の税制改革で固定資産税が大幅に軽減されたことがあるのではないかという仮説。

The annual fee for a family house consisting of one to two apartments is the lower of SEK 7,812 and 0.75% of the property’s tax assessment value, and the lower of SEK 1,337 or 0.3% of the assessment value of the property where there are three or more apartments.

International Tax, Sweden Highlights by Deloitte

1～2軒の住居物件を有する建物の場合、評価額の0.75％または7,812SEK（約95,000円）の安い方、3軒以上の集合住宅の場合は評価額の0.3％または1,337SEK（約16,000円）の安いほうが税額として適用されると書いてあります。細かい条件がちがうのかもしれませんが、日本の標準税率は1.4％らしいですから、標準税率だけを比べればスウェーデンのほうがかなり安いです。自宅の周辺で遊んでいる土地があれば（それがしかもたっぷりある笑）、毎日IKEAに通ってDIYして建てちゃおうってことになるかもしれないですね、スウェーデン人なら。

そうして建てられた「エアビー向けにつくった家」の中には、あらゆるモノがIKEA製というこだわりゼロ物件が潜んでいます笑。我が家もたいがいIKEAのものでできているので「自宅のようにくつろぐ」はあっという間に達成できますし、言っても安心安定のまあまあクオリティなので問題はないのですが、正直な話、つまらない。だからエアビーで物件を探すときは、写真を隅々まで見て、こだわりのアンティーク家具があるかどうかなんかもチェックするのが大事です。インテリア限定で言えば、今のところここ↓がハイセンスでした。