2019年11月の読書記録

2019年12月09日(月) 19:24

本&映画の紹介

11月第一週はリサーチ仕事で読書どころではなく、第二週には風邪を引いてしまいやっぱり読書どころではなく、しかし、名古屋の宿をランプライトブックスホテルにしていたおかげで3冊を稼ぐ。帰りのフライトで藤原伊織本を追加して、ここまでほとんど小説という体たらくですよ。帰宅してから急いで英語本とスウェーデン語本を読み、勉強本を追加してやっとの二桁。苦しかった。今年一番の苦しみでした。

そんなことよりオススメですが、厚みに怯んでいたけれど『パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する』はなにげにUXの本でした。もっと早く読むべきだった。多めの小説の中では『ひまわりの祝祭』かな。蚊トンボがいまいちだった分、ゴッホできたか!という驚きとともに楽しく読みました。藤原伊織さんの著書が残り少なくなってきたよー。



読んだ本の数:10
読んだページ数:2817
ナイス数:50

蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)蚊トンボ白鬚の冒険(上)
藤原伊織祭りが続いております。蚊トンボを脳内に飼う⁈ことになったのになぜか落ち着いてその状況を受け止められてしまっている配管工の冒険劇。設定が突拍子もなくて、藤原作品にしては入り込むまでかなり時間かかった。蚊トンボの名前も白髭ってなんやねん?なんかいろいろ不満。イカしたヤクザが登場するところにちょっとした安心感を覚える笑。加速がつかないまま、下巻へ。
読了日:11月05日 著者:藤原 伊織


蚊トンボ白鬚の冒険(下) (講談社文庫)蚊トンボ白鬚の冒険(下)
カイバラが奇人過ぎた。良心を持たない系の人間だった。白鬚を飼ってる達夫と同じく、何か虫がついているものだと予想してたんだけど、ただの変人だった。あー、なんか消化不良。藤原伊織作品の中では今のところ最下位に決定。引きずらずに次へ行く。
読了日:11月10日 著者:藤原 伊織


しあわせなミステリーしあわせなミステリー
どんなドス黒い物語になるのかとワクワク読み始めたBEEはスズメバチと格闘すべく装備を整える姿を想像して吹き出し、中山七里さんの2話目はなんとなく万城目学さんっぽいなーと思いつつ、やっぱりカエル男を再読するぞ!と誓って終わり。郵政監察官なる仕事の存在を教えてくれた3話目を読んで、お金関係なく紛失する郵便はどういうこっちゃねん?と余計な疑問に引っかかってしまった。最後は唯一、初読みの作家さん。これに限らずだけど、深いいドラマをこれだけの文字量でまとめるのスゴイなぁーって。
読了日:11月14日 著者:伊坂 幸太郎,中山 七里,柚月 裕子,吉川 英梨


私が食べた本私が食べた本
私も若い頃、「私のことを知る人が誰もいない街」へ行きたくて仕方がなかった。誰かの視線を気にしなければならない容姿でもなければ、注目を集める業績があったわけでもないから完全なる自意識過剰。東京に出て、そんな自意識とおさらばできたのは大きかった。でも「本を食べる」という感覚は私にはない。活字への執着には似たところがまったくない。それが物書きになる人と読者で終わる人の大きな差のひとつなんだろうなぁ。それに、紹介されている本の中に既読のモノが一冊もないという驚き!勇気を出して何冊か読んでみよう…と、きっと。
読了日:11月15日 著者:村田沙耶香


ラストリゾートラストリゾート
ランプライトブックス名古屋の客室にシレっとあったのでサクッと読んでみたけれど、なにげにステキな大人絵本でありました。想像力を失ってしまった画家が、それを取り戻すべく旅に出て、ステキホテルに行き着き、奇人変人偉人たちとの出会いやすれ違いを通じてアレコレ考える静かなときの流れが絶妙に心地よかったです。イラストもステキなんだなー。名古屋に来るときは、ここを定宿にしよう!と改めて心に誓いました。
読了日:11月15日 著者:J.パトリック ルイス


ひまわりの祝祭 (講談社文庫)ひまわりの祝祭
やはり燃えてなくなるか……。その終わりだけは読めてしまったけど、そこに行き着くまでの展開にはドはまりしましたぜ。おかげでロングフライトをロングに感じずに済みました。しかし本作いちばんの不満はナイスヤクザが登場しないことかな。ヤクザはあるまじき職業だけど、でも大変なんだね頑張ってるんだね……と思わせてくれる人情ヤクザが現れなかった。ま、現れたら現れたでいつもの展開すぎて面白くないとか思ったかもだけど。
読了日:11月18日 著者:藤原 伊織


Hitta barnen!Hitta barnen!
スウェーデン語の絵本。中のイラストがとっても可愛くて美しくて、子どもよりも大人向けな感じ。そのステキなイラストの中に隠れている子どもを探す仕掛けで、かくれんぼしている子どもの名前がアルファベット順になっていてABC絵本でもあるという事実には読んでる途中でやっと気づきました。テキストが少なめだからもっと楽勝で読めるかと思いきや、ちょっと詩的な文ばかりで難解だった。いやもちろん、Google翻訳先生のお力を借りての話ですが。
読了日:11月21日 著者:Erik Magntorn, Lisa Sjöblom


パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激するパクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する
ずーっと昔にタイトルに惹かれて購入し、厚さに恐れをなして積読になっていた本をついに読了。いや、もっと早く読めば良かった。コピーは「トレンドの創造と破壊の両プロセスに欠かせない」が、「消費体験のコピーはほとんど不可能」で、模倣とイノベーションの関係を本当に理解するためには「現場に出て本当の産業がどうふるまうかを見る必要がある」とな。UXの話やないかぃ! それに、ファッションや料理は想像の範疇でしたが、お笑いやアメフトのフォーメーション、そしてフォントのパクリとか、興味深くて仕方ない。おもしろいです。
読了日:11月23日 著者:カル・ラウスティアラ,クリストファー・スプリグマン


仕事は「徒然草」でうまくいく ~【超訳】時を超える兼好さんの教え仕事は「徒然草」でうまくいく ~【超訳】時を超える兼好さんの教え
『徒然草』を読むほどの国語力と意欲を持てないので、あくまでもこの本で紹介された中から選びますが、好きな段は第101段です。「さりげない」は「然り気無い」と書くのだそうですよ。気配を出さずに支援の手を差し伸べ、終えてもアピールすることなくいかにも自然に、そのふるまいが相手のことを思えばあたり前……と、思うことすらなく配慮してふるまえる人になりたいですね。HCD(人間中心設計)マインドって、こういうことだと思うの。徒然草かぁー、読んでみようかな、どうしようかな笑。
読了日:11月25日 著者:沢渡 あまね,吉田 裕子


History of the World in 100 Modern Objects: Middle-class Stuff (and Nonsense)History of the World in 100 Modern Objects: Middle-class Stuff (and Nonsense)
「オブジェクト」を軸に、その所有者の生活だったり、人生だったり、態度だったり、想いだったりを描く100話の短編。イギリスの文化をあまり知らないので、登場するオブジェクトにも知らないものが混ざっていたりするし、知っていても謎なものがあったりするので、しっかり咀嚼できた感じはないけど、「人生いろいろだよなー」ってことは噛みしめられました。わたしのこれまでの人生を語るのにふさわしいオブジェクトはなんだろう?とかって読了後に考えてしまうくらいには面白かった。
読了日:11月30日 著者:Francesca Hornak