5年前の初授業をふり返る
2019年12月26日(木) 19:11
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, リサーチャーの知恵袋- RETROSPECT OF THE 1ST CLASS I TAUGHT
- This was my 5th year to teach adult students about user research at a graduate university. I reviewed the slides for the 1st year which consisted of only 82 pages, which now turned out to be 291 in total. I feel a bit guilty for the students who suffered from the inexperienced lesson 5 years ago. I also recall I picked up a wrong book as a suggested reading. It's a good book, but it doesn't suit to some people. Well, teaching is a hard job which requires so many extra works outside of the class itself. It is so nice to have some teachers who completed the course themselves since a few years before to share the toughness of teaching. It is also super nice for 2 finishers who invited me to their company to offer a seminar, which covered my travel fees from Sweden.
教育もサービスである。で、某所でサービスを提供する側(つまり教える側)に立つようになって5年目が終わりました。ということで、ちとふり返りつつ報酬のこととか暴露してみる笑。
クリック合戦に勝利した社会人学生たちが、およそ半年にわたり金曜の夜と土曜日丸一日をつぶして人間中心設計を勉強する場が作られてからもう10年だそうです。わたしは、演習を手伝うボランティアとして参画したのが最初。何年度のことかはよく覚えていないけど、その翌年か翌々年から給料の出るアルバイトに昇格しました。確定申告書類によれば、 3~4日通って合計で8,250円もらったようです。リアルに学生アルバイトな金額。そして、このお小遣いを受け取るための事務手続きがアホみたいに大変だったことを思い出し、改めてはらわたが煮えくり返る。
2015年度には「ユーザー調査」を教える非常勤講師へとさらなる昇格を果たしました。当時の時給は忘れたけど、5年目の今年の時給6,520円でした。業務内容の欄に「大学准教授待遇」との記載があるのだけど、大学の准教授が他校で教えるときってこのくらいなんですかね。参考までに、2011年に総務省からの依頼でユーザー調査の仕事をしたとき、経験年数に応じて、あなたは有無を言わさず時給11,705円です!と言われ、はいそうですかってなったことがありましたが、大学准教授待遇はその半分ちょっとか……。「教育」というサービスは、金銭の見返りを求めるような邪心のある人が立ち入ってはいけない領域なのかもしれない。
と、そんな愚痴を書きたかったわけではない(ホントか?)。
初年度の授業をふり返るべく当時つくったスライドを眺めてみると、全部で82ページでした。今年のは291ページ。コマ数が1.5倍にはなっているのだけど、スライドは3倍以上なのでかなりのボリュームアップ……。2015年度の修了性の皆さん、あのときの荒削りな授業を皮切りに経験を積んでここまで来ました。踏み台になってくれてありがとう笑。 当時、受講生の中に「やせれば美人」が混じっている可能性を鑑みず、高橋秀実さんの『やせれば美人』を参考図書としてシレっと紹介していたことが一番の反省です(そこかぃっ笑)。
一昨年度から、修了性が何人か講師陣に名を連ねるようになりました。そしてそれはとても良いことだと思う。わたしもそうだったけれど、教える側に立ってはじめてその重労働がわかる。教える準備にものすごい時間とエネルギーを注ぎ、緊張感たっぷりに授業をこなし、そのうえで「演習に対する個別のフィードバックが欲しかった」とか「もっと設計にじっくり時間をかけたかった」と言われたかと思えば 「もっとゆっくり講義してくれないと頭に入らない」とか言う人もいて、「どうすりゃ良いねん!」ってなるよ、マジで。というのを、彼らもきっと感じてくれたことでしょう。わたしの担当もそろそろ世代交代を考えたいので、修了生の中から我こそは!という人の立候補を待つ。
ところで今年は、スウェーデンから飛んでくる費用(自腹)の足しになるようにと修了生が所属する企業2社からセミナーのご依頼をいただいて、おかげで赤字は避けられました。そのうちの1社は本もこんなに買ってくれました(写真)。ありがとう! 5年やって、たった2社か……という感じもするが笑、来年もヨロシクオネガイシマス。来年も同じコースが存続するのかどうかは知らんけど。