マルメのコワーキングスペース
2018年09月13日(木) 18:13
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, イベントの話, スウェーデン, リサーチャーの知恵袋- CO-WORKING SPACE IN MALMÖ
- I joined the guided tour of Media Evolution City, that is a leading co-working space and one of the hosts of the Conference. It seems to be playing an important role in the city to promote and support various start-ups by providing various opportunities to share knowledge and to support each other. It could be an interesting option for me to be a member, if I keep working as a freelancer here, but to be really honest, I wonder if I would be able to find a job to visit Malmö more than 10 days in 3 months. Need to consider and do some calculation to make a decision.
Malmö(マルメ)のコワーキングスペース、Media Evolution City(以下MEC)のガイドツアーに参加してきました。10年前に立ち上げたNPOで、現在のビルを手に入れたのが2012年。それからも着実に規模を拡大中で、現在は90社が入居、会員数で言うと400人以上、そして毎日の人の出入りはおよそ1,000人だそうです。
フリーランスで活動している人もいれば、まだ小ぶりなスタートアップだったり、Oatlyのようにすでに巨大企業にまで成長済みの会社だったり、大小さまざまな会員で賑わっているらしい。立ち上げた当初は大きな企業ばかりになってしまったけれど、今はフリーランスやスタートアップを応援する場のほうに重みを移しているとか。いきなり個室を借りる必要はなく、オープンスぺースのデスクから、固定デスク、小さな個室、中くらいの個室と徐々にレベルアップしていけるように場所を設けているそうです。オープンスペースのデスクの場合、3か月有効の10日間チケットで3,000 SEC(37,000円くらい…と思ったけど税別のようだから+25%)。日本の場合と比べて高いのかどうかわからないけれど、Wi-Fiやプリンターはもちろん、ミーティングスペースも無料みたい。カンファレンスルームは有料だけどディスカウントを受けられるとな。こっちでもフリーで仕事をしていくなら、Malmöに出たときの仕事場を確保するという意味で会員になることも考えられるかな。3か月で10回も出かけていくほどに仕事があるかどうかですけども……………。
ちなみに会員になるための条件は、MECの活動に関心を持ち、自らもそれに関与する意思があり、自分の知識や経験を他者と共有する準備があること。毎月、会員から寄せられた案の中から一つのテーマを選び、それについての勉強会を開催したり、対外的なイベントを主催したりしていて、会員はそれらへの積極的な関与が求められる、と。そうか、少なからずの社交が求められるってことか………、なにげにそれはハードル高い笑。
ちなみに先週開催されていた The Conference もMECの発案だそうです。オペラハウスを会場に!というのもMECが言い出しっぺで、昨年の開催はオペラハウスがカンファレンスとして活用される初の試みだったものだから大変でしたという話も実はMECで聞いたものでした。2011年からカンファレンスの公用語を英語とし、MECで開催するイベントも2017年からはすべて英語に。2011年の段階ですでに女性のスピーカーが40%だったそうですが、2013年に50%を達成し、以来ずっとその数字をキープしているそうな。そういうところで男女差をなくすべく努力するところはスウェーデンらしいです。スピーカーには薄謝で来てもらっているけれど、“プラスワンゲスト”と称して、家族でも恋人でも同僚でも誰でもいいからもう一人一緒に来てもらって、二人分の旅費や滞在費の一切を提供するのだそうです。スピーカーとしてお呼びしたゲスト一家がごっそりMalmöに引っ越してきてしまうような例も過去にはあったらしい。街を気に入ってくれた証。カンファレンスの主催者としてこんなうれしいことはないでしょうね。
毎年ミッドサマー直前の金曜日に一年のオープニングパーティがあって、入居者をリフレッシュするというのも面白い仕組み。ただ、どのくらい入れ替わっているのかは不明。家を探していて判明した2年以上居住すると借主側の権利が大家の権利を上回るという法律の存在を加味すると、リフレッシュするというのは建前で、貸す側の権利を維持するのが本音なのではないかと実は疑っています笑。スウェーデンは日本と同様、本音と建前のある国なのですよ、あまり知られていないと思いますが。
それはともかく、Malmöでもコワーキングスぺースが活況を呈しているのは間違いないようです。仲間入りするかどうかはこれからじっくり考えることにしようっと。