トイレのデザインに見る男女平等
2018年08月23日(木) 16:29
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, スウェーデン, リサーチャーの知恵袋- PUBLIC TOILET DESIGN SHOWS GENDER EQUALITY
- A set of toilet seat and lid with a tab to make it easier to open/close each of them without touching the unsanitary part hasn't become a global standard yet. The one at IKEA Hotel had a tab each that is great, and it was even a nicer design, as it forced users to close the lid to flush. The public toilet at the hotel was also interesting from Japanese perspective. The door and its label looked there would be only one stall inside for both men and women to use, but there were some stalls inside separately for either men or women, and only one baby crib. Very space effective, ever better, it clearly shows the baby-sitting is shared between mothers and fathers. Japan needs to learn something like this from this country with strong gender equality.
もう5年も前の話になりますか…、ツマミのついた便座と蓋がグローバルスタンダードになる日を願ったのは。いまだそこまでの世界的な動きは見られませんが、IKEAホテルの客室に設えられていたトイレの便座と蓋はツマミを備えたデザインでした。わたしの願いが叶う日は、きっとそう遠くないことでしょう。
ちなみに今回のトイレは、蓋を閉めないと水を流すためのボタンを押せない仕様になっていて、さらに画期的です。こうした制約をデザインに盛り込むことで、用を足した後、必ず蓋を閉めるという行動が学習されることが期待されます。男性諸氏、期待されます(大事なことなのでリピート)。ただし、キレイに流れたかどうかを確認したい場合には、蓋をもう一度あけることが余儀なくされてちょっと非効率。流れることを信じられるトイレなら問題なし。
さて本題は、IKEAホテルの廊下にあったトイレでした。外の入り口(写真[4])を見る限りは普通です。ドアの向こうにあるトイレを男子も女子も使って良いということがわかります。ドアを開く前は、中に個室が一つだけあることを想像していました。250を超える客室を有するホテルの一階廊下にあるトイレですから、個室が一つでは足りない感じはします。数はともかく用事があるので中へ入りました。すると、中には男性用の個室と女性用の個室が2~3個ずつ並んでいるという作りです。たしかに、それぞれ個室になっているんだから、入り口で男女を分ける必要はないか。これでかなり場所の節約になります。スウェーデンは場所を節約する必要ないですけどね笑。“音姫”なる機能が当たり前になりつつある日本で、この作りはなかなか考えらないだろうな~。
角には、ベビーベッドが一台あって(写真[6])、引き出して使えるようになっていました。なるほどー、こういう作りならば、お父さんとお母さんが二人ともトイレに行きたいとき、どっちが連れていくという話にはならず、一緒に行って、交代で子どもを見ながら順番にすばやく用を足すことができますね。いいじゃないですかー。ベビーベッドに寝かせた赤ちゃんの視線の先におもちゃがぶら下がっているのも素敵。こういうちょっとしたところに、男女平等の精神というか、子育てに対する役割分担なんてそもそも必要なくて二人で力を合わせてやるんだ!という考えてみれば当たり前の心の持ちようが現れていますね。“イクメン”なんて言葉が生まれる日本でそれが当たり前になる日は来るのか?