モデレーターの料金もケチるべからず
2018年06月21日(木) 17:32
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 東京, リサーチャーの知恵袋- GET ENOUGH BUDGET FOR A GREAT MODERATOR
- If I, a super experienced moderator, am able to work with a super experienced simultaneous interpreter who’s also familiar with user research, I guarantee to satisfy my client (only when both of us are in the same room, like when we visit an informant's house). I always try to listen to what the informant is telling me, and to hear how the simultaneous interpretation is going simultaneously. If the interpretation goes slow for some understandable reasons, like trying to provide some cultural background, I also try to slow down the conversation with the informant. If the interpreter hears wrong and mistranslates, I somehow duplicate the question to let the interpreter notice the mistake. This collaboration only works with a simultaneous interpreter who’s able to catch up with my super flexible semi-structured interview, though
リサーチを分かってくれている、しかもウルトラ級の通訳さんと、同じくウルトラ級のモデレーター(私のことよ笑)が組むと、たまにスゴイことが起きる。
自分の英語が通訳レベルでないことは自覚していますが、仕事で使えるくらいには英語ができるのです、私。で、訪問調査のときは、すぐ横から聞こえてくる同時通訳を片方の耳でざっと聞きながらモデレーションをします。たとえば、文化的な背景まで添えて意訳してあげようとしているのに気づけば、少し時間稼ぎをしてあげます。あるいは、ちょいと難しい話や慣用句(四字熟語とか、ことわざなんかも)なんかが突然飛び出した場合は、訳しやすいように、表現を説明調にして言い直しつつ確認したり、インフォーマントに説明し直してもらうような問いを挟んだりします。自分で言うのもなんだがすごく気を利かしているのだ!
この機転が最高潮に利くのは、通訳さんが聞き間違えた内容を、そのまま英語にして伝えてしまった場合。通訳さんの間違いを指摘する感じにならないように、それでいて、インフォーマントが言ってくれたことが正しくクライアントへ伝わるように、Win-Win-Win-Winの関係を目指す仕事っぷり。未だかつて誰にも褒めてもらったことがないので自画自賛してみる。
ちなみに、同時通訳のスピードで通訳してもらえないと、この気配りは無理です。自分とインフォーマントとの対話、通訳さんからクライアントへ向かう発話が、ほんの少しのズレはあるもののほぼ同時に先へ進んでいく状況じゃないとできない芸当なのだ。
たまに、まだ私が言っていないことを、通訳さんのほうが先に言ってしまっていることもあって、そういうときは一瞬「おーい!」って思うけど笑、リサーチ分かっている人だからこその展開だし、本当は違う展開を考えていたけど、その話も聞きたいところだからまずその流れで行きますかぁ、って合わせてみたりして。この臨機応変な半構造化インタビューが、ウルトラ級の証であり、料金に反映しているのです。そうです。モデレーターの料金もケチらず、値切らず、よろしくお願いします。私は、モデレーターと通訳は同じくらいの料金とするのがフェアだと思う。同時通訳は英語苦手な多くの日本人が“高額で当たり前”と思っているけれど、モデレーションは“自分でも出来そう”と思われてしまうせいか、よく「高い」と言われます。高くないです笑。