2017年5月の読書記録

2017年06月16日(金) 10:30

本&映画の紹介

とある講義で「もっと小説読むべし!」と、若人たちに力強く勧めた割には1冊も小説を読んでいないという…(笑)。ちょっとお勉強チックな本が多くなってしまいました。コッソリひっそり漫画も1冊忍び込んでるし、それで二桁達成!とか言って良いものかどうかと悩む…。今月の一押しは、『対訳 21世紀に生きる君たちへ』です。美しい文章を日本語と英語の両方で読めるうえに、書かれている内容が実に沁みる。ゆったりと読んでいただきたい一冊です。

読んだ本の数:10
読んだページ数:2206
ナイス数:40

対訳 21世紀に生きる君たちへ対訳 21世紀に生きる君たちへ
続けて二度も読んでしまった。歴史を愛し、歴史から多くを学んできた著者だからこそ見える未来。その未来を生きる子どもたちへのお言葉の数々。それをドナルド・キーンの翻訳で並行して読む。日本語も英語も美しい。なんとも贅沢です。英語を勉強中の大人にもオススメ。しっかりとした美しい日本語だからこそ、対する英語も簡潔で美しくなる。難しい表現なんかいらないってことがよく分かります。「自分に厳しく、相手にはやさしく。—すなおでかしこい自己を」確立すべし、と。ホント、大人にも響くのです。
読了日:05月03日 著者:司馬 遼太郎


自分を知るための社会学入門自分を知るための社会学入門
メタ・メッセージ、社会関係資本、暗黙の生前贈与など、社会学で研究され、語られてきた大切な概念がとてもわかりやすく述べられています。善悪は実体ではなく、それを知覚するヒトの価値観によって決定づけられる…。わたし達がいかに偏ったモノの見方、解釈の仕方を無意識のレベルでしているのかを気付かせてくれる良書。社会で生きるのは大変だけど、社会があるからこそ気づきがあり、学びがある。学びの楽しさとその先にある(はずの)豊かさを喜びに変えていこう!
読了日:05月06日 著者:岩本 茂樹


地域を変えるデザイン――コミュニティが元気になる30のアイデア地域を変えるデザイン――コミュニティが元気になる30のアイデア
北海道東川町の“君の椅子”が圧倒的に良い! その他の事例は読んで確認していただくとして、全般的に話が少し古いな…と思っていたら2011年の出版でした。ほんの6年前の事例を“古い”と感じるほどに、地域はあちこちで様々な取り組みをしていて、それが東京であくせく生きている私のところに情報として入ってくるようになっているということにも驚かされました。各取り組みのその後を伝える続編が欲しいです。
読了日:05月10日 著者:issue+design project


たとえる技術たとえる技術
最近、アイツの書く文章に例えが増えたのはこの本を読んだからか…と気付かれるのは、明け方、ふと目が覚めたときに隣で眠る旦那とそっくりそのまま瓜二つな格好で寝ていることに気づいて「双子かっ」とセルフツッコミしたときのように恥ずかしい。とかいう感じの書評にしよう!と、うつらボンヤリする頭で考えたそのときのことを思い出して、もう一度、恥ずかしい(笑)。すみません、たとえる技術、この本を読んだだけでは習得できないようです。
読了日:05月13日 著者:せきしろ


ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか (光文社新書)ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか (光文社新書)
“良質なメディアを維持するためには、良質な読者を育てていく必要がある”という一文が強烈に刺さった。どんなサービスも同じだと思う。『「闘争」としてのサービス』に通じるものがあるな。前半、Yahoo!嫌いなんです…な雰囲気が強すぎてちょっと気が重くなりますが(嫌いなら嫌いでいいんですが、はっきり書いているわけではないので少しバイアス強すぎるんでないの?と疑いながら続きを読むことになりました笑)、メディアの今を学ぶには良い感じかと思います。
読了日:05月18日 著者:藤代 裕之


マンガ 自営業の老後マンガ 自営業の老後
夫婦二人ともフリーランスというのはきっと大変ですね。うちの相方はサラリーマン人生を好んで選んでくれているので助かります。これ読む前から思っていたけど、50歳過ぎたら、リサーチのような体力のいる仕事を続ける余裕なくなると思うんだ。だから今のうちにあくせく働いて貯金してる。から、大丈夫だとは思うんだけどな…。たぶん一番大切なのは、どんなに順調なときも危機感を持っておくべきだという自覚。そして健康体。お互いに頑張りましょう、はい。
読了日:05月20日 著者:上田 惣子


蚊がいる (角川文庫)蚊がいる (角川文庫)
タイトル買い(笑)。で、その話はそれほど面白くなかった…。でも『男たち』に書かれている“主体としての私と客体としての私の間で視点を切り替える”という部分にかなり唸る。夏のセミナーで話そうと思っている“インフォーマントの目に写る自分を意識することの重要性”に通じる。そうか、ユーザーリサーチャーには女性のほうが向いているとなんとなく思っていたけれど、“客体としての私”を意識する訓練を女子はお洋服を選ぶようになった子供の頃から積み重ねているからなのかもしれない(と、かなりの飛躍…笑)。
読了日:05月21日 著者:穂村 弘


ネット広告がわかる基本キーワード70 (MarkeZine BOOKS)ネット広告がわかる基本キーワード70 (MarkeZine BOOKS)
ネット広告絡みのリサーチするのでお勉強。改めて、この仕組みの礎を築いたGoogle様の凄さに思いを馳せながら、「ダメだ~、全然単語が頭に入ってこなーい」と何度か雄叫びをあげる。無事にリサーチ終わりますように。
読了日:05月22日 著者:MarkeZine編集部


ヒットの崩壊 (講談社現代新書)ヒットの崩壊 (講談社現代新書)
去年の音楽系のリサーチする前に読みたかった。というか、読むべきだった本。でも発行は去年の12月か。あれはちょうど旬なリサーチだったんだな、とか変な納得。ライブ市場の拡大について書かれた第四章、J-POPの大きな可能性について語る第五章が特に面白い。それにしても、近頃まったく“音楽”を聞かなくなったことを自覚して少し焦る。いや、焦る必要まったくないが、なんとなく。とりあえずBABYMETALくらいは聞いたほうが良いんじゃないの?とか思ってしまうくらいにはJ-POPの未来を楽しみにさせてくれる本でした。
読了日:05月26日 著者:柴 那典


会議でスマートに見せる100の方法会議でスマートに見せる100の方法感想
原著のほうを読了。いくつか自分で“やっちゃってるわ!”というのがあって軽く焦る。いや、別にスマートに見せようとか思ってないから(笑)。小狡いなコレ…というのから、コレなら使えそうだわ…というもの、この本が流行ったあとだとコレやりにくぞ、困った…みたいなのまで、全般的に笑えるものが多いけど、#76が一番吹いた。6月のカンファレンスで早速活用するぞー。アメリカ人、ソーシャルネットワーク楽しくて仕方ないんだと思ってたけど、めんどくせーなーと思っている人が少なくないということがわかったのは大きな収穫。
読了日:05月28日 著者:Sarah Cooper