ノルウェーで木造教会巡り
2016年08月18日(木) 17:00
ヨーロッパ所々方々, ノルウェーSTAVE CHURCHES IN NORWAY: One of the destinations of our trip in Norway was a tour of Norweigian stave churches. There used to be over a thousand of them, but now only around 30 left. The oldest one, Urnes stave church, is located on a hill top of a small town where we had to get on a ferry twice to reach it. The biggest one, Heddal stave church, is located near Oslo, about 2 hour drive. The most popular one is Borgund stave church which is now known as a model of an ice castle in the movie “Frozen.”
ノルウェー旅行の観光の目玉は木造教会巡りでした。ヴァイキングとキリスト教文化が融合した建築様式で、その多くは1130~1350年に建てられたものと伝えられています。かつては1,000棟以上の木造教会がノルウェー各地にあったようですが、現存するのはわずか28棟。その多くも建て直しや修復を繰り返したり、中には移築されたりしたものもあるとか。今回の旅行で訪れた5つの木造教会を紹介します。
まず現存する中で最古のもの、ユネスコの世界遺産にも登録されているウルネスの木造教会です。ノルウェー最大のソグネ・フィヨルドのかなり奥のほうに位置していて、車で山をたくさん越えたうえ、フェリーに2回も乗り、最後はおよそ1キロ、かなりの傾斜の道をひたすら登ってやっと到着です(写真[1])。雨の天気予報を裏切って青空が顔を出してくれました(写真[2])。さすが世界遺産だけあって、この教会だけ専属ガイドさん(それとも牧師さんかな?)が歴史や建物のことを詳しく紹介してくれました。あるとき、聖壇を取り払って椅子を設置することが決まって内部の支柱の下部分を切り取ったら建物が傾いてきちゃって(そりゃそうだろ…支柱なんだから笑)補強しなくちゃならなくなった。だから上に飾られているキリストさんは建物の中心にいないんだよねー、みたいなことを言ってました(写真[3])。人間は間違いを犯すものだが、その間違いから学ぶこともできる。とも言ってた。イイ話だー(笑)。
続きましてはオスロから車で2時間ほど南西へ行ったところにあるヘッダールの木造教会(写真[4])。これが一応、現存する中でもっとも大きなものとされています。正直な話をすると、ここを一番最初に見に行って、その後いろいろと見てしまったので、記憶はいろいろと上書きされてまして、これがそんなに巨大な教会だったという印象が…ない(笑)。でも、切妻屋根の先端(写真[5])に犬?!の顔がついていたのは「なんだかカワイイ」とか思って強く印象に残っています。ところが資料を読み返してみると、これはケルトやドイツを起源とする異教や邪教のモチーフで神により退治された悪を表しているそうな。ぜんぜんカワイクないし。お口直しに往時はさぞ美しかったであろう祭壇をどうぞ(写真[6])。
次は映画『アナと雪の女王』の氷の教会のモデルになったということで一躍脚光を浴びているボルグンドの木造教会(写真[7])。確かにすごい数の観光客でした。大型観光バスが次から次へとやってくるので静かな時はなかなか訪れません。こちらの切妻屋根の先端にもデビルが設計されていますが、抽象的で、単純に美しいですね(写真[8])。この教会の裏手の山を20分ばかし登っていくと、地の利を活かした城壁の跡(写真[9])が見られてオススメです。さすがのヴァイキングもここを下から攻め入るのはさぞ苦労したことでしょう。
これらの木造教会が現存し、美しい姿でいられるのは、材木の土台が石の礎に埋まっているおかげだそうです(写真[10])。木材が地面に直接触れないために腐らず、長持ちするんだって。へー。しかしこれもやはり地震のない国だから成り立つ工法のような気がするが。ちなみに、上記3箇所に加えてあと二つの木造教会を見たのですが、名前を思い出せないという体たらく。ボルグンドの近くにあったもの(写真[11])は他の木造教会とかなり見た目が違っていて面白かったですが、最後の一つはどこかから移築されたもので、その移築先は地方の小さなテーマパークみたいなところで、写真[12]で見る限りは森の中にひっそりと佇む素敵な雰囲気ですが、実物はかなりの残念感でした。見なかったことにしたいくらいです(笑)。