2016年6月の読書記録
2016年07月31日(日) 15:32
本&映画の紹介業界のもろ関係書籍にダメ出しをするとかしてますが(笑)、そんなことよりも『本にだって雄と雌があります』が超弩級のオススメ小説ですので、皆さん、ビジネス書とか読んでないで、この小説を読んでください。そして語り合いましょう。『電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり』は割り切った人の強さを感じさせてくれるなにげに勉強になる一冊でした。
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3124ページ
ナイス数:34ナイス
Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール
“Perceived Utility”を“使いやすさ”と訳している部分がちょっと気になりましたが、それ以外はすんなり入ってくる内容だった。効果的なフックを構築するための5つの基本:内的トリガー、外的トリガー、アクション、リワード、インベストメント。トリガーについての解説も分かりやすくて悪くない。総じて腹オチする内容でしたが、それはわたしが認知科学を分かっているから、のような気もするけども…。最後の事例が聖書アプリというところが、日本人には取っ付きにくいかもしれませんね。
読了日:6月5日 著者:ニール・イヤール,ライアン・フーバー
本にだって雄と雌があります (新潮文庫)
これまで読んだ小説の中で確実に五本の指に入る名作! 読書大好き人間にとっては魅力的すぎるタイトルと出だしにワクワクしながら読み始めたわけですが、前半は「これ何の話よ?」とかツッコムこと一度や二度ではありません。その疑問に絡め取られてひたすら読み進めると、空飛ぶ象とか出てきて奇想天外すぎる。おまけにモノやヒトや出来事の描写がとことんセンスがあって面白い。そのセンスが代々受け継がれ、そんなセンスと愛情に満ち溢れた手記が時空を超えて家族を強く結びつける、そんなファンタジーでした。すごくオススメ。
読了日:6月7日 著者:小田雅久仁
貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 (幻冬舎文庫)
タイトルに引かれたのは言うまでもないわけだが、まさかこの中でウェブユーザビリティなる言葉やヤコブ・ニールセンのお名前に出会うとは思わなかった。ジェーン・スーさん、なにげに近いところにおられるのかもしれない。世代は確実に一緒ですし(笑)。恋愛現役な人たちにとって、Facebookがいかに面倒な代物か…とか考えたこともなかった。確かにね。“片桐はいり村いちばんの美人”という自己ビジュアル評価がツボでした。
読了日:6月12日 著者:ジェーン・スー
君がいる場所、そこがソニーだ ソニーを去った異端たちの夢 (文春新書)
著者といい、本書に登場する人たちといい、みんな本当にソニーを愛している。ソニーを去らなければならなかった人、去ることを選んだ人、事情や背景は色々だけれど、ものづくりに情熱を注ぎ続ける、技術を日本のために!と頑張り続けるオジサマ達の気持ちに結構グッとくるものがありました。ソニーに残っている人、残ることを選んだ人にも同じ情熱で日本のためにガンバッテもらいたいです。
読了日:6月15日 著者:立石泰則
終わった人
リアル銀行マンからのオススメで読んでみました。彼の年齢からすると、リアルに明日は我が身という感じなのだろう…と思ったりして。リーマンな皆さんの心境はそれはもう複雑というか、憂鬱なのに違いない。それを横で支えることが暗黙の了解…な奥様もそれは同じか、もっと憂鬱か(笑)。うちは何年後にその日を迎えるのかな? その日が予想外に早く訪れたりすることもあり得る世の中だから油断できない。これ読んで予習するといいですね。
読了日:6月18日 著者:内館牧子
人間中心設計入門 (HCDライブラリー)
見開き2ページに一つのお題がまとまっているので、入門書としてはとても理解しやすい。しかし、タイポや表記揺れが多すぎる。てにをはがおかしいところも散見されるし、読んでいてちょっと疲れるレベル。著者編者が多すぎるが故の事故とでも申しましょうか。うちらの巻ではそういうツッコミを受けないように気をつけよう(謎)。
読了日:6月19日 著者:山崎和彦,松原幸行,竹内公啓
ぜんぶ、無印良品で暮らしています。「無印良品の家」大使の住まいレポート
出版記念のプレゼントに応募したら当たってしもーた。著者一家は、5万倍を超える倍率を打破して2年間無料モニターとして無印の家に住む権利を獲得したのです。わたしなんて当たっても本一冊だ(笑)。広告塔として素晴らしい仕事をされています。イラストカワイイし。無印の商品は機能的なものが多くて確かに我が家にも大量に導入されていますが、さすがに全部だと飽きるなコレ…というのが率直な感想かな。うちには無理でした。
読了日:6月22日 著者:藤田あみい
伸びる女優、消える女優 本音を申せば7 (文春文庫)
昭和一桁台のお生まれ。それはもう出てくる話題が古くて分からん(笑)。わたしそんなに映画大好きでもありませんし。でもそんなおじーさまが最近の女優はどーだあーだと楽しそうに語りつつ、日本語の乱れについてマジメに物申してみたり、自由である。前者よりも後者の話題のほうが多かったので題名に騙された感はある。とりあえず綾瀬はるかちゃん推しだということはよく分かったし、わたしも賛成です。
読了日:6月25日 著者:小林信彦
101 Things I Learned in Architecture School
メタ認知こそが大事だよとか、良いと思うアイデアこそ一回捨ててみようとか、おばあちゃんが理解できるように分かりやすく説明できないアイデアはまだまだだ!とか、すごく基本的な、でもなかなか教えてくれる人のいない真理を簡潔にちょっとずつ教え諭してくれる良書なのだ。こういう本を、わたしも書きたい…。
読了日:6月26日 著者:MatthewFrederick
電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり (講談社+α文庫)
なんか…すごかった(笑)。平気でごますりできる人のことは果てしなく嫌いなわけだが、しかしコレらはごますりではなく気くばりでして、戦略あっての代物でして、そこまでやれるならそれはそれで私には欠片も備わっていない能力としか言いようがなく、それは尊敬に値するわけであります。と理解してもなお真似したいとは思わない。仕事は選ぼう。選べる社会人になろう。今さらですが。
読了日:6月29日 著者:ホイチョイ・プロダクションズ
最悪 (講談社文庫)
騒音問題は根深くて難しいけど、それにしてもマンションのおっさんには腹が立ち過ぎて出てくるたびにイラッときたわー。しかし、立場が変われば見えてくること、言いたいこと、違って当たり前だし、譲り合えないことも世の中にはたくさんあって、社会で生きていくことの大変さを思い知らせてくれる最悪っぷりでした。自分の身の丈にあった意思決定をしていけるように、やはり大切なのはメタ認知だと思う。
読了日:6月30日 著者:奥田英朗