実演は解説あってナンボ
2015年09月01日(火) 18:29
UXいろいろ, 日本発信四方山話, 愛知, イベントの話, リサーチャーの知恵袋DEMONSTRATION WITH COMMENTARY: I supported a usability seminar held in July in Nagoya, hosted by HCD-Net. I was stunned by the fact that the main lecturer, who has been a great colleague of mine, turned out to be out of shape on the previous day, but his professional spirit made him show up! He needed to be there with me to provide a demonstration, to tell what to and not to do as a usability specialist. Thanks to his spirit and our long-term good relationship, I believe his demonstration with my commentary provided a lesson worth learning.
この夏の間に、HCD-Net主催の教育セミナー“ユーザビリティ評価”のお手伝いもしました。こちらは去年に引き続き二回目。ただし、開催地は東京から西へすこし移動しまして名古屋でした。
第一回と第二回は仕事の都合でお手伝いできず。後半の二日間のみお手伝いに行く予定になっていたのですが、その直前にメイン講師のF田さんが胃腸炎でまさかのダウン…。いやしかし、そこはプロとしての気合いと根性で現場入りしてくれて感動しました。10数年前、彼にこの気合いと根性があったら、今の私はない(←知る人と知る私のモデレーターデビュー裏話)。彼の成長に感慨ひとしおであります(笑)。いろんな意味で私のやる気スイッチ入りました。
ということで遅ればせながら(遅すぎるという声も…)、セミナーの模様と伝えきれなかったアレコレを勝手に書く回です。
企画のときからやる気満々だったF田さんが、他所で評判のプロの実演というのをやってみようと言い出して、ダメ出しする係なら喜んで引き受けます!という流れで役割分担完了。この実演+解説を実現させるためにも、メイン講師のお出ましは必須だったのであります。「プロの技を見たい」とか、「先生がモデレーターするところを見せて欲しい」といったご要望をよくいただくのですが、これは後ろに解説が付いててナンボだと思うんですよね。プロならではの卓越した、無意識レベルの技なんて、解説ないと分からないでしょ? それに、自分で実演して、録画見ながら自分で解説してっていうのは、下手すると単なるやらせになるのでは? と思います。同レベルのプロが客観的に観て、解説を入れるからこそ分かりやすくもなるし、深みも出てくる。さらに言うと、プロとは言えこちらも人間なので、場合によってはミスもし得る。実際このときも、F田さんのうっかりを二発ほど、しっかりダメ出しさせていただきました。ダメなところはダメと指摘して、本人はもちろんだけれど、受講生にはきっちり「こういう振る舞いはよくない」「こういう聞き方はNG」「予備実験を怠るべからず」ということを持ち帰ってもらうこと、大事だと思います。
とは言えダメ出しなので、講師二人の人間関係がものを言ってきますね。言われて凹んだり、自己正当化に走ったりしそうな人が相手だと、人前でダメ出しとかできないです。互いに言いたいこと言い合えて、言われたことには真摯に向き合って改善しようと取り組めて、困ったときには助け合えて、そんな仲間の存在、大事にしたいです。
で、このときどんな解説をしたのかをメインで書こうと思っていたのですが、実演までの流れと解説の重要性が思いの外ながくなってしまったので(笑)、いっそ奮発して、実演のときに私が手元で取っていたメモを公開してしまおう(写真[1][2])。三枚目の写真はビデオを観ながら解説している風景です。
注1)文字の色に意味はありません。途中で黒インクが切れただけです。
注2)字が汚いのはリアルタイムでメモしているからです。読めるでしょ?