松島湾観光と震災の記録

2014年05月14日(水) 17:09

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MATSUSHIMA SIGHTSEEING & RECORDS OF TSUNAMI: We visited Matsushima in Miyagi prefecture, which is known as one of the Three Views of Japan. There are some 260 small islands covered in pines, which played a magnificient role as a breakwater when the giant tsunami hit the region after the earthquake on March 11, 2011. We found some notes in town to tell how high the tsunami was and how far it reached, which would be important records of tsunami for future generation.

宮城県には、松尾芭蕉も讃えた日本三景のひとつ、松島があります。260あまりの島々が織りなす美しい景観は昔から多くの観光客を引きつけてきました。というわけで我々も、おきまりの松島湾遊覧船クルーズからお上りさんスタートです。

 

[1] 片側の窓だけ瞬時にキレイに [2] 2階はグリーン席で別料金 [3] 勇ましくおわしますは仁王島

大人一人1,500円もしますが、被災地にお金を落とすと思えば安いものです。桟橋で並んでいると、係のオジサンたちが船の窓についた汚れを落とし始めました(写真[1])。すごいスピードでした。さすがです。しかし、船の反対側の窓はどうするん?とか考えてはいけません(笑)。

そして船の中に“グリーン料金”の案内を発見…(写真[2])。追加お一人600円也。さぞ見晴らしが良いであろう2階席はすべてグリーン席で追加料金を払わないと上がれないときた。なんだかなー。いや、払うけどね(払うんだ…笑)。

天気が良くて、波も穏やか。ただし強風のため展望デッキには5分といられませんでした。三年前の地震で崩れた岩や島がいくつかあるらしいですが、仁王島は揺るぎなく、そしてその名にふさわしく勇ましい出で立ちでおわしました(写真[3])。沖から見た松島湾です。

 

この島々が防波堤となり守ってくれたおかげで、松島の海岸や町が震災でうけた被害は他の沿岸市町に比べると少ないものだったそうです。

 

[4] 海岸沿いの土産物屋 [5] 指定解除になった避難場所 [6] 瑞巌寺表参道の中ほど

もちろん被害がまったくなかったわけではありません。土産物屋の入り口には、津波の高さを伝える貼り紙がありました(写真[4])。震災前は避難場所までの誘導を担っていたと思われる看板には目隠しがされていました(写真[5])。おそらく津波がそこまで押し寄せたため避難場所としてはもう指定できなくなったということでしょう。震災で避難した大勢の方々を収容した瑞巌寺の表参道の中ほどには、津波到達地点を伝える木札が立っていました(写真[6])。本堂まであと100~150メートルほどのところでしょうか? この記録はとても貴重な情報ですね。あの規模を下回る津波なら、ここまで逃げれば大丈夫!という目標になります。二度とあってほしくない災害ではありますが、こういう情報をひとつひとつ丁寧に後世へ伝えていくことが大切です。