2024年5月の読書記録
2024年06月07日(金) 18:37
本&映画の紹介なんてことだ……久しぶりのギリ2桁。今年前半のんびり遊んでいたつけが回ってきて、忙しくなってきちゃってのんびり読書してる場合じゃない笑。しかし、プチ旅があったし(しかし移動が車だったので読書時間はあまり稼げなかった)、GWでお休みの日もあったから、なんとかギリギリ。心配なのは6月である。
それはさておき、おすすめは『ギケイキ3: 不滅の滅び』です、ダントツで。3巻で終わると思って読んでいたから静御前の舞の話で終わったと思ったのに、どうやらまだ先があるらしい。すでに楽しみ。他は、ぜんぶほどほどに面白かったけど、専門外から『能 650年続いた仕掛けとは』と『「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ』は勉強になりました。
読んだ本の数:10
読んだページ数:2829
ナイス数:97
能 650年続いた仕掛けとは
称名寺薪能を見に行く前の予習。「初心忘るべからず」の本来の意味を教えてもらった(そこかぃ笑)。「古い自己を裁ち切り生まれ変わる」ことをくり返してきた能。豊臣秀吉によって派手な能装束が生まれ、江戸時代にスピードダウンし、明治になって屋内で演じられるようになる。そして戦後、スポンサーを失って庶民に門戸が開かれる。鏡を使わない稽古を通じてプロプリオセプターを活性化させる能楽師。だから限られた視界で舞えるのか。という感じで、歴史から仕組みから仕立てから知らないことだらけ。毎年、薪能の前に読み返そう。
読了日:05月01日 著者:安田 登
今までにない職業をつくる
外出するときは常に「着物と袴に朴歯の高下駄」という武術研究者が、これからを生きる若者たちに自由で縛られない考え方の大切さを説く書。迷ったら「とにかく体を使う仕事に飛び込んで体験すべし」というあたりがとても「らしい」誘い。学校教育は「体育」を柱にすべしという持論も面白い。実際に教育現場を変えるのはむずかしいを通り越して不可能だと思うけれど、師は選べる。自分にはまだ見えていない物事が常に無数にあるという自覚を養ってあげられると良いですね。子育て完全に他人事の人なので無責任ですが…。
読了日:05月04日 著者:甲野善紀
知識ゼロから2時間でわかる&使える! ChatGPT見るだけノート
ChatGPTを活用しての翻訳に挑戦中でして、とりあえずザックリ勉強しておこうということでの選書。しかしちょっと初心者向け過ぎたかな。知ってることしか書いてなかった笑。でも、翻訳以外に自分の文脈でどんな使い方ができそうか、すこしですが発想は膨らみました。まずは、ChatGPTによる翻訳支援のクオリティをあげるためのコツをまとめて紹介する本をChatGPTに書いてもらうとか、やろうかな…。
読了日:05月06日 著者:
密やかな結晶 新装版
「愛してしまった男から言葉を奪われ、束縛から逃げる勇気を持てないまま次の女に立ち位置を乗っ取られる女」の物語を書く小説家が生きる島では、「消滅」を徹底するための秘密警察が幅を利かせる。消滅の影響を受けないR氏を匿う小説家。匿うという大義名分に守られながら自由を奪い束縛する側に落ちていく。そして身体は徐々に消滅し、最後に残された声が消えたところでR氏は自由になる。普段は気にも留めていないものの大切さや「記憶」や「自由」の意味を考えさせられる物悲しい物語でした。
読了日:05月12日 著者:小川 洋子
定年のデザイン
高知の本屋で購入。高知へUターンして、牧野植物園で働いて、その間に鬱になってデザインの仕事から距離を置き、牧野博士と植物たちと奥様のおかげでじわじわ復活したデザイナーさんが定年間際やコロナ渦中の日常を綴った新聞連載が読み応えのある1冊になってます。ご自分で書かれている挿絵がステキで、やっぱり絵を描けるって良いな~とうらやましくなった。あと、「居酒屋読書会」わたしもやりたい笑。賛同してくれる人が見つかったら速攻やりたい。連絡を待つ(誰とはなしに)
読了日:05月16日 著者:里見 和彦
「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
させていただく警察による歴史語用論の本。新しい敬語表現だと思っていたが実はそれほど新しくないこと、日本語の敬語には「敬意漸減」を逃れられないという性質があること、「丁重語」と「美化語」という新たな敬語分類が生まれていたことなど目から鱗の学び連発でした。「させていただく」の違和感に影響するはずの「必須性」「使役性」「恩恵性」のうち恩恵性は実はあまり関係なくて、さらに必須性も使役性もない新しい用法が若者を中心に広がりつつあると。なんと!だぜ。今後は、遠慮なく使っていくことにさせていただく笑。
読了日:05月21日 著者:椎名 美智
ギケイキ3: 不滅の滅び
鎌倉幕府と北条氏の流れからギケイキ。背景や人間関係がわかってきてなおさら楽しかった。が、いよいよ都落ちする義経を支えてきた佐藤忠信の最後の死闘で前半ほとんどが終わったし(だってなかなか死なないから笑)、中盤は勧修坊得業に言いくるめられまくる鎌倉武士(頼朝含む)たちの話、そしてラストは静御前が腹をくくって舞うところまで、で終結。義経ほとんど出てこないというか、語るだけ。もともと彼の最期がどうなったのか諸説あるってのは、『義経記』が書かれた当時からなんですね。梶原さんは最後までボロクソ言われてておもろかった。
読了日:05月23日 著者:町田 康
砂丘の蛙
タイトルに「蛙」とついていたので買ってみたという変な入り方でしたが、ずいぶんと面白いではないか! 主人公が密かな撮り鉄で、舞台も千葉から神戸と鳥取まで広く出てきて旅情感もあって、北九州連続殺人事件を思い出させるなさそうでありそうでな殺人事件を、定年まであと少しの刺されても元気な渋い警官が解決まで持っていく物語。マジで一気に読みました。初読みの作家さんでしたが、他のも読んでみようかな。
読了日:05月26日 著者:柴田 哲孝
最善のリサーチ プロダクト開発で最善なリサーチとは何か。計画から実施、結果の分析まで、本質的解説から学ぶ。
縁もありまして、本気の書評を書いたのでそちらをご案内します>https://okuizumi.jp/blog/2024/05/just-enough-research-will-be-available-in-japanese.html
正直な話をここでぶっちゃけると、さすがに知っている内容がほとんどなので、スラスラと読めた一番の理由はそこかもしれない。
読了日:05月27日 著者:Erika Hall
子どもと一緒に覚えたい 道草の名前
三浦半島を駆け回っていた時に、「あれはスギナ。つくしの葉っぱ」と旦那が教えてくれて、めっちゃ「へぇ~」と思ったのだが、なんとなく悔しいぞと思い、これで勉強してみた感じ。けれど、子どもじゃないのでぜんぜん頭に入らなかった笑。でも、花、葉、茎、種、生え方をイラストではなく写真付きで解説してくれているのでかなりわかりやすい。散歩に持っていけるサイズで装丁してくれたらもっと良かったかもー。三浦半島を駆け回りながら、少しずつも良いから植物を見て名前を言えるようになりたいです。
読了日:05月30日 著者: