カラスの存在感
2020年04月15日(水) 17:57
UXいろいろ, ヨーロッパ所々方々, Skåne, スウェーデン, マチとヒトの観察- CROWS HAVE A PRESENCE IN SWEDEN
- I have found quite a few arts and crafts with a crow in Sweden, and kept wondering why. For most Japanese, a crow is one of destructive animals, maybe because of the struggle with them at a garbage station. According to a book about Scandinavian myth, Odin - Supreme God in the myth, has two crows aside that bring all knowledge and information from around the world, and I now wonder if I can assume these two crows have a strong enough impact on how Swedes feel about crows around.
スウェーデンの人たちは、あまりカラスを忌み嫌っていないように見えます。たくさんいる鳥のうちの一種に過ぎないという感じ。隣町Malmö(マルメ)のとある屋外カフェのまわりには、おこぼれにありつこうとするカラスがたくさんいて、テーブルのまわりを行き交うどころかテーブルの上を我が物顔で歩き回るくらいなのにみんな平然としていました↓。
日本では、ゴミステーションでのカラスとの攻防からか、カラスに対しては悪印象が強いですよね。スウェーデンではゴミは戸別収集で、カラスだけでなく、動物がイタズラをできるような状態にはなっていません。ゴミ収集がたとえ2週間に一回だけという低頻度でも散らかったりしないのだ。
雑貨屋でカラスの置物を売っていたり[1]、クリスマスマーケットに行けばフエルト製の手づくりカラスがいたり[2]、Stockholm(ストックホルム)のとある博物館ではティーポットのフタのつまみがカラス[3]になっているのがあったりもして斬新! 道端のアートにも採用されています↓。
オーディンは、二羽のオオガラス、フギンとムニンを連れている。フギンは「思考」、ムニンは「記憶」という意味で、どちらも世界じゅうを飛び回り、情報を集めて、あらゆる知識をオーディンのもとに運んでくる。そして肩にとまり、耳元でささやく。(先日読んだ『物語 北欧神話』の中の一節)
北欧神話の中で「万物の父」と称されるオーディン神に知恵を授ける動物としてカラスは描かれています。こうした伝承から、カラスは神をも助ける生き物としてスウェーデンの人の中に刷り込まれているとしたら、カラスを忌み嫌う展開にはなりにくそうです。日本神話にも八咫烏が「導きの神」として登場しますが、三本足という奇異な姿のせいか、あるいは「神」という地位にまで崇められてしまっているためか、その辺をうろつく「カラス」とは別物という感覚が強くなってしまったのかもしれません。
もうひとつは大きさかな……。スウェーデンのカラスたちは軒並み小ぶり。日本のカラスは大きくて怖いですもんねー。