EPIC2011のオスソワケ

2011年09月25日(日) 15:00

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, イベントの話, ボルダー

ABSTRACT OF EPIC2011: The conference was held at a St.Julien hotel in Boulder, CO. It was a good opportunity for us to reunite Mr. Hugh Dubberly whom we met while we were living in Palo Alto. In his opening keynote speach, he streesed on the importance of modeling for design research. Throughout the conference, we talked and discussed how to be flexible and open-minded to a slow but steady evolution, and to a (sometimes) painful and fast revolution occuring in the business field.

やっと学会の話を少々。会場は、コロラド州ボルダー(Boulder, CO)にあるSt.Julienというかなりお高めのホテルでした。前夜祭と称して、ホテルの中庭でReceptionがあり(写真[1])、アルコールを片手に皆さんと談笑していたら、パロアルトに住んでいた頃に会社訪問をさせてもらったDubberly Design OfficeのHugh Dubberly氏と再会しました。わたしと旦那の姿を見て、かなり驚いた様子。EPICに来るような連中とは思われてなかったのね(笑)。ちなみに、彼自身も、Opening KeynoteとしてEPICに呼ばれたのはかなりの驚きだったらしいです。

 

[1] 中庭でのReceptionの様子 [2] Opening Keynoteで幕開け [3] みんな、よく喋るんだよなーw

翌朝、EPIC2011のオープニングを飾るそのHugh Dubberly氏のKeynoteは、『Why modeling is cruicial to designing & design research』と題したお話でした(写真[2])。ユーザーや社会をしっかり観察し、ビジョンを築き上げることによってこそ社会に受け入れられる商品やサービスが出来あがるということまでは分かっていても、観察結果からビジョンを描き出し、それを商品やサービスへと変えていく“Transfer”の段階で失敗することが多い。そこの失敗を少なくするための解決策として“Model(s)”を多用すべし!というのが彼のおおまかな主張です。変化や進捗を見える化し、共有することで、議論や会話を促していくことが現場には絶対に求められすよーっと。さして新しいことは言ってないけど(笑)、聴衆には共感を示す人が大勢いたようだし、“Model”とか“Modeling”とかは、この後に続く発表の中にもちょくちょく登場していたので、エスノグラファー達にとっては旬なキーワードの一つだったと言って良いのではないかと思います。

EPIC2011のテーマは“evolution/revolution”でした。直訳するなら、“進化/革命”となりますが、この問いの根っこにあるのは、産業界でなかなか立ち位置を確立できず、まだまだ危うい立場にあるエスノグラファーが生き残っていくには、あるいは然るべき役割を担っていくにはどうすべきなのか?という大きな悩みがあると思われます。自然界で起こる緩やかだけれど揺るぎない進化の波と、ときには痛みを伴い、急激なスピードで進む革命の渦。人類の進化と同じように産業界にもそれらは両方起こり得て、それらに翻弄されずに為すべきことを成していくには、変化を受け入れる柔軟性と自分をも変える勇気が必要だ!みたいな議論がEPIC2011を通じて随所でみられました。なんかスゴク壮大な話になっていて、しがないフリーランサーは正直ついていけてませんでしたが、エスノな人たちはとにかく熱いし、元気だし、よく喋る(写真[3])。相変わらずスゴイ体力だよな…とか思ってしまいました。