2024年11月の読書記録
2024年12月06日(金) 17:45
本&映画の紹介11月は忙しかった。2桁が危うくなりそうなスケジュール感だったので、10月末にAudibleの無料お試しを始めてみたら、軽くはまってしまったよ笑。図表おおめのビジネス書はAudibleに不向きだということがわかったし、売れ筋の小説は凄腕のナレーターさんがものすごい臨場感で読み上げてくれることもわかった。ということで、小説を聴くのは楽しい。しかし、ひと月に小説5冊はやり過ぎだぞと。『ビタートラップ』以外の4冊は全部おもしろかったけども。
仕事の合間の息抜きにふさわしいエッセイや図鑑、現実逃避を助けてくれた屋久島や北欧の本など、緩い、緩すぎる本のオンパレードで、これで2桁とか言ってるのはどうなの?と自分でもツッコミたいところだけど許そう。終わったことだ笑。
そういうわけで、特におすすめございません。毎月たのしみにしてくださっているみなさん、すんません。
読んだ本の数:12
読んだページ数:3116
ナイス数:173
嫌いなら呼ぶなよ
若い人たちの昨今の生き様を教えてくれるんだろうなー、きっと!とワクワクしながら読んでみたら、職場の女子の意地悪っぷり(眼帯のミニーマウス)や不倫夫を追い詰める妻の親友や逃げおおせようとするクソ夫(嫌いなら呼ぶなよ)など、昭和の時代からさほど変わってないな…と思いつつ、令和の時代のストーカーの有様を教えてもらったり(神田タ)、年上全部が老害の範疇なんだなーみたいな発見があったり(老は害で若は輩)、つまり、ぜんぶ面白かった!
読了日:11月05日 著者:綿矢りさ
777 トリプルセブン
Audibleで聴いてみた。天道虫が部屋番号を読み間違えたのをきっかけにして、とある高級ホテルのあちこちに死体が積みあがっていく。不運つづきの天道虫が、同じように不運を嘆く紙野(こう書くのか…)を見事に救う物語。それなのに、誰にもお礼を言ってもらっていない…と不服そうなラスト。柚子胡椒をふったチーズケーキは最高のお礼じゃないかー!殺し屋シリーズでこんなほっこりするエンディングがあり得るとはね。それにしても、Audibleの読み上げが臨場感たっぷりでプロの仕事だった。
読了日:11月05日 著者:伊坂 幸太郎
老いてこそ、スマホ 年を重ねて増える悩みの9割は、デジタルで解決する 老いに親しむレシピ
84歳の父が独居になったので、これまで頑なに拒否っていたスマホを持ってもらうことになりました。ちなみにガラケーも持ったことがないので、いきなりスマホデビュー。今のところ電話の送受信にしか使っていない笑のだけれど、なんとかLINEでテキストメッセージのやり取りまでできるようになってもらいたい。ということで、コレを読み、同年代の人たちが不安を乗り越えて使えるようになってることを知ってもらって、自分にもできるかも?と前向きになってもらう作戦。超基本のところに付箋をつけて渡します!
読了日:11月10日 著者:牧壮,増田由紀
いい人すぎるよ図鑑
仕事で20代の若者にインタビューをした。みんな疲れてた笑。解放されたい、ひとりになりたい、日常を忘れたい……って。日本の将来が心配になっちゃったわぃ。そして本書。職場でも居酒屋でもカラオケでも、「いい人」であろうと努力し続けるのは大変だから無理しなくて良いよ!って言ってあげたい。でも同時に、この程度で「いい人」認定もらえるなら、頑張らずにいい人でいられるようなレベルに達するほうが楽になれるかも…とも思った。しかし、「ペットボトルを渡す時、ふたを開けて渡してくれる人」はいい人じゃない。やめてほしい。
読了日:11月10日 著者:明円 卓,佐々木 日菜,真子 千絵美
休養学: あなたを疲れから救う
Audible2冊目。若い頃はたしかに「週末=寝だめ」みたいな生活を送っていて、ふり返ってみればアホだったなーと。でも、月曜日にフルパワーで出社できるよう、週末には攻めの休養を取るべきだ…という本書の見解は納得いかない。仕事のために週末を犠牲にすることを推奨しているように聞こえたから。とはいえ、「疲れてるので休みます」を受け入れてもらえる社会であるべきだというところは多少共感できるかな。みんなが余裕をもって生きていける程よい社会になると良いですね。
読了日:11月11日 著者:片野 秀樹
もうひとつの屋久島から
札幌のお宿で借り読み。屋久島へ行くチャンスを棒に振ってからもう15年くらいかな。いつか行きたい場所のひとつ。屋久島が世界自然遺産に登録された主な理由は、縄文杉の存在ではなく「自然植生の垂直分布」で、縄文杉の命名も広告きっかけで発見者の苦労が反映されていないとか。薩摩藩のおかげで危うく禿山にされかけた屋久島の自然を今ある形にぎりぎり守ってきてくれた方々に感謝しつつ、自然にとっても、そこに暮らす人たちにとっても邪魔にならない程度の観光客として、やっぱり一度くらいは行ってみたい。
読了日:11月15日 著者:武田剛
暗殺
Audible3冊目。安倍元総理襲撃事件から、真相が暴かれないままに2年以上の月日が流れました。すっかり脳裏から消え去りかけていたけれど、いろんなことを思い出させてくれた本書。かなりの取材のうえに成り立っているに違いない渾身の一冊。これがフィクションでないとしたら、著者はおそらくもう死んでいるだろうから、フィクション多めなのだろう。しかし、実名も多めで境目がぼやける。「聞き続けたいから歩いて帰ろう」と思うくらいにはまる内容と朗読でした。
読了日:11月16日 著者:柴田 哲孝
夏物語
『乳と卵』の続きなのか…。知らずに読んだ。巻子の豊胸手術ってどうなったんだっけ? 巻子/緑子親子の和解?で幕を閉じた第一部。第二部はひたすらAID(非配偶者間人工授精)の話。そうまでして子どもに「会いたい」とは思わなかったなー。「そうまでして」っていう表現がまさに問題になりそうなところでもあるのだけど。重苦しいテーマを関西弁が静めてくれて、Audibleで聴いていたのでなおさら、リズミカルに時間が流れていった。偽善者恩田のハラスメントのところは不快なんてもんじゃなかったぞと。
読了日:11月22日 著者:川上 未映子
北欧のあたたかな暮らし 小さな愉しみ: 365 LITTLE COZINESS
つい買ってしまった北欧本。スウェーデンの話はほぼほぼストックホルムなので知ってる景色は出てこなかった笑。ナショナルデーケーキとか、クラッドカーカ(べたべたケーキ)とか、知らないことだらけ。全般的に甘いものの話が多すぎだと思ったぞ笑。ヨンショーピングのトロル像、見たかったなー。たぶん近くまでは行っていた。スウェーデンにもいつかは再訪したいけど、どちらかと言うとアイスランドとノルウェーのほうが惹かれる。夏のアイスランド一周はいつか行こう(そんなとこばっか)。
読了日:11月25日 著者:明知直子,鐙麻樹,歌野嘉子,kukkameri 新谷麻佐子,kukkameri 内山さつき,萩原健太郎,針貝有佳,林イグネル小百合,ヴェントゥラ愛
すべて潜在意識のせいでした
Audible5冊目。他の方々も書いているけど、なんか違ったわ笑。「病は気から」って昔から言うし、全否定するつもりはないけれど、「なんでやねん!」と思うところが多かった。「人の振り見て我が振り直せ」とか、「己の欲せざるところは人に施すことなかれ」とか、そういう格言を今ふうにアレンジしてそれっぽくまとめた感じかな。これを読んで救われたと思うとしたら、病んでる証拠だと思うので、無理せず病院へ行くことをおすすめしたい。
読了日:11月28日 著者:宮増 侑嬉
かえるはかえる: パイプの中のかえる2
『パイプの中のかえる』の続編。タイトル買いの続き。カエルは出てこない笑。広島在住の作家さん。感性豊かな作家さんが、日常のなにげない一コマを豊かな言葉で紡いでくれている一冊です。寝る前にひとつふたつ読んで、クスっと笑って、心を落ち着けて眠るようにしていました。毎日を大切に生きよう!
読了日:11月29日 著者:小山田浩子
ビタートラップ
Audibleで6冊目。対中国か…ってことで『土獏の花』くらいの緊張感を持って読み(聴き)はじめたのに、アホくさい恋愛ものだった笑。柴田哲孝さんの『暗殺』の後だからなおさらだったな。あり得ない展開でも『ガンルージュ』のほうがエンタメとして楽しめた。けっこう好きな作家さんだったのに、かなりガツカリ。いやしかし、Audibleは最高。
読了日:11月30日 著者:月村 了衛